アイコン イラン、イスラエルをミサイルで報復攻撃、対立が世界を覆う


昨年10月7日、パレスチナガザ地区のハマス勢力(イラン支援)が、イスラエルに奇襲攻撃、イスラエル側に1200人あまりの死者が発生した。激怒したイスラエルは、ハマスの本拠地であるガザに侵攻し、今年2月までに3万人を超す死亡者を発生させている。
イスラエルの攻撃は、シオニズムによる占領地のバレスチナで敵対するパレスチナ人の殲滅であり、倍返しどころか30倍返しでも止むこともなく続いている。

4月1日、そうした中、イスラエル軍は、シリアのイラン大使館含むその周辺へ空爆し、イラン軍幹部らが殺害されるなどし、イランはイスラエルに報復を宣言していた。

4月14日、イランはイスラエルに対し300以上のミサイルと無人機で攻撃した。
イラン側は一応、報復を完了させたとしているが、イスラエルが再報復すれば、イスラエルと戦闘状態にあるイエメンのフーシ派、レバノンのヒズボラ(公称:10万人)も強固に連動し、中東はゴチャゴチャになる可能性を秘めている。

 

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<攻撃は正確にどこで行われたのか?>
攻撃中、イスラエル軍はシリアとレバノン国境に近いイスラエル占領下のゴラン高原北部と南部のネバティム、ディモナ、エイラートの都市の住民に対し、防空壕の近くに留まるよう命じた。

・ ネバティムにはイスラエル空軍基地があり、ディモナには郊外に原子炉がある。エイラートはイスラエルの紅海南部の港で、水路を通過する船舶に対するイエメンのフーシ派による度重なる攻撃により、操業が激減している。

イランとしてもこれまで何度となくイスラエルと見られるイランの上級幹部やシリアのイラン軍駐屯地の攻撃にさらされ、国内の圧力もあり、動かざるをえない状況にあった。

 好戦国の米国にしても、大統領選を控え、血友であるイスラエルへの攻撃は、なんらか報復に動く可能性も高い。
米共和党は支持の福音派(米国信者公称:8千万人)とユダヤ教との親密な関係。
米民主党は世界経済を牛耳るユダヤ財閥を支持母体にしており、その支援は莫大な選挙資金に化け、イランに対し、何らか行動を起こさざるを得ない状況におかれている。
ということで、今後イスラエル軍がイランを攻撃するとどうかはわからない。

最近の問題の根底は、エルサレムのイスラム教の聖地への侵略問題、パレスチナ居住区のヨルダン川西岸へのイスラエル軍の侵攻、
占領地へのユダヤ人入植者(ユダヤ教最強硬派がほとんどと)によるパレスチナ人居住区への度重なる襲撃、
イスラエルが最強硬派兼(反イスラエルの)パレスチナ人殲滅派のネタニヤフが最高権力者の首相を務める限り、問題は解決しない。ネタニヤフは加齢とともに老人性強硬派ともなっており、手が付けられない有様。

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<なぜイランはイスラエルを攻撃したのか?>
イランの攻撃は、4月1日にダマスカスでイラン軍司令官モハマド・レザー・ザヘド少将を殺害したイスラエルによる攻撃とみられることへの報復である。
彼は別の将軍を含む他の6人のイラン人とともに殺害された。少なくとも6人のシリア国民も殺害された。
「イラン指導者らは行動を起こす決意をし、行動を起こすと見られているようだ」とワシントンD.C.の国防大学准教授デイビッド・デ・ロシュはアルジャジーラに語っていた。

「これが私に示唆しているのは、戦略や戦術的有用性から切り離されたプライドや名声の考慮が存在し、それは私たちが思っていたよりも危険な時代を示している可能性があるということです」と彼は付け加えた。

イランの支援を受けたレバノンの武装組織ヒズボラとイスラエル軍は、イスラエル南部でのハマス主導の攻撃と包囲されたガザ地区へのイスラエルの残忍な報復の翌日である10月8日以来、レバノンとイスラエルの国境を越えて攻撃を行っている。

それ以来、レバノンでは少なくとも66人の民間人を含む330人以上がイスラエルの攻撃で死亡している。
ヒズボラの攻撃により、イスラエル側では兵士12人、民間人6人の少なくとも18人が死亡している。

4月13日・土曜日、イラン国営メディアは、同国武装勢力がホルムズ海峡付近でイスラエル関連のコンテナ船を拿捕したと発表した。
そして4月14日、イランのイスラエルへの約300発のミサイルやドローンでの攻撃となっている。(ただ、アイアンドームによりそのほとんどが撃墜されている)

<イスラエル政府は何と言っているのか?>
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は攻撃後のツイートで、自国は「勝つだろう」と述べた。これに先立ち、同氏は国民に対し、軍はいかなるシナリオにも備えていると述べた。 

「イスラエル国民の皆さん、ここ数年、特にここ数週間、イスラエルはイランによる直接攻撃に備えている」とネタニヤフ首相は述べた。

「私たちの防御システムは配備されています。私たちは防御面でも攻撃面でも、あらゆるシナリオに対応できる準備ができています。イスラエル国家は強い。 (イスラエル軍は)強い。大衆は強い。」同氏はまた、米国や英国を含む同盟国がイスラエルに「肩を並べる」ことに感謝した。

「私たちは明確な原則を決めました。私たちを傷つける者は誰でも、私たちは彼らを傷つけるのです。私たちはあらゆる脅威から身を守り、冷静かつ決意を持ってそうするつもりだ」と彼は付け加えた。

攻撃終了後、イスラエルのヨブ・ガラント国防大臣は、攻撃は「阻止された」と述べた。

「イランの攻撃は、私たちのパートナーであるアメリカ人やその他の人々とともに、最も印象的な方法で阻止されました…今日、全世界がイランとは何者なのか、つまり恐怖の国なのかを知りました」とギャラント氏は付け加えた。

<イランは・・・>
イランはイスラエルにいかなる反応も警告した。ロイター通信の報道によると、イラン軍参謀長の
モハマド・バゲリ少将は国営テレビに対し、イスラエルが報復すれば、イランの反応は夜間の砲撃よりも「はるかに大規模」になるだろうと語った。
イランはまた、イスラエルの報復を支持すれば米軍基地が標的にされることにつながると米国政府に警告した。
これに先立ち、イラン国連代表部は、国連憲章第51条に基づく自衛に関する規定を引用し、同国は「問題は…終了した」とみなしていると述べたと、国連常任代表部がX通信で述べた。

「この問題は解決したとみなしてよい。しかし、イスラエル政権が再び間違いを犯した場合、イランの対応はかなり厳しくなるだろう。これはイランと悪党イスラエル政権との間の紛争であり、米国はそこから離れなければなりません!」
エブラヒム・ライシ大統領は声明を発表し、「シオニスト政権に教訓を与えた」イラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)の「勇敢な人々」を称賛した。
以上、参考:アルジャジーラ(カタール政府出資の通信社)

現在のところ欧米が軍事力で、それ以外の地域や国々を圧倒しているが、新興国の軍事力強化は今後も続き、30年もすれば、欧米優位の世界は崩れ、拮抗しているものと見られる。
そうした脅威を阻止するため、米国は中国に対し、最新の半導体製造装置やAIに欠かせないGPUの輸出を強力に規制していることでも理解できよう。ただ、それも長期的に見れば、時間の問題。

[ 2024年4月15日 ]

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