韓国の調査会社SNEリサーチによると、世界の車載電池市場における2024年1~9月の韓国バッテリー3社(LGエナジーソリューション、SKオン、サムスンSDI)のシェアは20.9%と前年同期に比べ▲3.3ポイント下落した。
各社は、車載バッテリー使用量は増加したものの、中国勢のEV+PHVの販売台数のやや幅増加でシェアは軒並み低下した。
LGエナジーソリューション、SKオンなど電気自動車(EV)用バッテリー生産のために米国に進出した韓国の2次電池メーカーが、現地の生産人員を減らしている。
EV市場の成長低迷により、完成車メーカー各社がEVの生産速度を調節している影響とみられる。
LGエナジーソリューションは、ホランド工場の生産社員170人の解雇表明。
SKオンもジャクソン郡の工場のバッテリー生産量を減らし、労働者の一部を無給休職措置(レイオフ)することを決定した。
フォードは、SKオンと合弁した米ケンタッキー工場第2工場の稼働時期を2026年以降に延期した。
韓国勢の車載バッテリー使用量を企業別に見ると、
LGエナジーは72.4ギガワット時で3番目に多かった。
顧客である米テスラの「モデル3」や独フォルクスワーゲン(VW)「ID.4」の販売が伸びたことから4.3%増加した。ただ、シェアは▲2.2ポイント下がり12.1%となった。
SKオンは28.5ギガワット時で12.4%増加したものの、前年同期の4位から5位にランクを下げた。シェアは▲0.4ポイント下がり4.8%だった。
サムスンSDIは5.4%増の23.9ギガワット時で7位、シェアは4.0%だった。
韓国勢は米国に注力しており、直営や合弁で10ヶ所以上計画している。
世界シェアトップは、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)で26.5%増の219.6ギガワット時でシェアは36.7%。
2位は自社販売車両販売が絶好調の比亜迪(BYD)で、自社製のバッテリーの生産量は外販も含めて28.0%増の98.5ギガワット時、シェアは16.4%となっている。
中国勢は、韓国勢の高価なニッケルとコバルトを使用する3元系より、安価なLFP(リン酸鉄リチウムイオン電池)バッテリーを有し、3割前後安価なことから中国除く世界市場でも今後大きくシェアを伸ばしていくものと見られる。
韓国勢も欧米へ進出しているが、中国勢も欧州へ進出、輸出規制の関税障壁を設けても、進出してきた欧州産バッテリーなり、車両については、中国企業製も規制は受けない。ただ、米国は経済戦争状態であり、欧州のスタンスとは異なり、企業さえも進出するのは難しい。
さらに米国ではトランプ2政権が1月20日に発足する。IRA補助金の廃止を表明。EVテスラのマスク氏が問題提起しない限り補助金は廃止され、EVはさらに売れなくなる。
結果、韓国勢は豊富な純資産に支えられ、破綻することはないだろうが、その純資産も利益により蓄積されたものではなく、背景の財閥の出資金に他ならない。
EV用バッテリー市場は現在、韓国勢の3元系と中国勢のLFP系となっている。しかし、3年後の2027年には全固体電池も搭載車両が出現して三つ巴となり、EV販売台数がそれまでに大幅に伸びない限り、現状の生産設備の償却も終わっておらず、経営的には苦しい展開になる可能性が高い。LFP勢は価格競争力から中以下の価格帯車両での優位性はますます強くなると見られる。
フォードも、東京エレクトロンも、CATL製LFP電池の米国でライセンス生産する計画を有しており、トランプ政権が承認すれば、ますますわからなくなる。
(バイデン氏は特許盗人問題で係争中だったLGとSKを強制的に和解させた経緯があるが、トランプ氏はそうした過去や工場新設に対する巨額補助金など、すべて見直す公算が大きく、韓国勢にとっては不利に作用する。一方、中国勢は米国へ進出しておらず、現状痛くも痒くもない。(BYDはEV-バス工場を2014年にカルフォルニアに進出させ、現在に至っている。あくまでバス領域)
LGエナジーの業績推移
対ウォン円:
2022/12月、0.1039円
2023/12月、0.1089円
2024/11/22日、0.1103円
(2019/12月、0.0941円)
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LGエナジー/億ウォン
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決算期
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売上高
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前年比
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営業利益
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前年比
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24/3Q
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68,778
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-16.0%
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4,480
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-39.0%
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米IRA除外
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-177
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24/2Q
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61,618
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-29.8%
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1,953
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-57.6%
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米IRA除外
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-252
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24/1Q
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61,287
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-30.0%
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1,570
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-75.0%
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米IRA除外
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-316
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23/4Q(12月)
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80,013
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-6.3%
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3,382
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42.5%
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米IRA除外
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881
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23/3Q(9月)
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82,000
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7.5%
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7,310
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40.0%
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米IRA除外
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23/2Q(6月)
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87,740
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73.0%
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4,610
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2.4倍
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米IRA除外
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23/1Q(3月)
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87,470
|
2倍
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6,330
|
2.4倍
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米IRA除外
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23年通期(12月)
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337,455
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31.8%
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21,632
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78.2%
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24/3Q貸借
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総資産
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総負債
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総資本
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566,271
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281,295
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284,976
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韓国最大のバッテリーメーカー、GM・テスラ・現代・VWらを顧客に持つ。2021年までは欧州の売上高が半分を占めていたが、現在は米国が同社の最大市場。欧州には2017年にポーランドに進出している。
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