
2026年2月12日、日経平均株価はついに5万8000円台へ到達し、史上最高値を更新した。高市政権が衆院選で300議席超を確保したことを受け、市場は政治的安定と積極財政路線を一気に織り込んだ形だ。
■「高市・米景気」連動でリスクオン加速
今回の急騰は、国内政治と米国経済の好材料が重なった結果といえる。与党圧勝により「食料品消費税ゼロ」や防衛・宇宙・サイバー分野への大型投資が実行段階に入るとの見方が強まり、海外投資家の日本株買いが加速した。
さらに、直近の米経済指標が予想を上回ったことで世界的な景気後退懸念が後退。グローバル資金が再びリスク資産へ向かい、日本市場にも波及している。
■「円高・株高」の異例の並走
注目すべきは、1ドル=152円台への円高が進行する中で株価が上昇している点だ。通常は円安が株高を後押しする構図が多いが、今回は様相が異なる。
背景には、株価過熱と財政拡張を受けた日銀の追加利上げ観測がある。市場は将来の金融引き締めを織り込みつつも、それでも企業収益は維持できるとの判断を示している。いわば「円安頼み」ではなく、日本経済そのものへの再評価という側面もある。
■熱狂の裏側にあるリスク
ただし、5万8000円という水準は将来成長を先取りした価格でもある。政策実行が遅れたり、インフレ制御に失敗した場合、調整圧力は一気に高まる可能性がある。
また、都市部の株価や地価が上昇する一方で、地方経済や中小企業の体力がどこまで改善しているかは別問題だ。株高が必ずしも実体経済の底上げを意味するわけではない。
■問われる「出口戦略」
株価は期待の総和であり、政治の評価でもある。今回の史上最高値は政権にとって追い風だが、同時に高いハードルも突きつける。
この上昇相場を持続的な成長へ転換できるのか。それとも期待先行の過熱相場に終わるのか。今後の焦点は、政策実行の速度と内容、そして金融政策とのバランスに移っている。