アイコン クールジャパン機構、累損500億円超 官製ファンドの限界露呈

Posted:[ 2026年6月24日 ]

日本の文化や観光、食の魅力を海外に売り込むはずだった官民ファンドが、重い損失を抱えて岐路に立っている。海外需要開拓支援機構、いわゆるクールジャパン機構の2025年度の累積損失が500億円を超えたことが分かった。政府は廃止や他のファンドとの統合を前提に、具体的な検討に入る。

問題は、日本のコンテンツや観光資源に力がなかったことではない。アニメ、ゲーム、食、地域観光など、日本発の産業には海外で支持を広げているものが少なくない。むしろ問われるべきは、それらを誰が、どのような仕組みで海外展開するのかという点だった。

 



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官製ファンドは、政策的な意義を掲げやすい一方、投資先の選定や事業の見極めでは甘さが出やすい。実績の乏しい企業や、収益化の道筋が見えにくい事業に資金を投じれば、理念は立派でも損失は積み上がる。海外市場では、現地の商習慣、販売網、ブランド戦略、資金回収までを具体的に詰めなければならない。日本らしさを掲げるだけでは、事業は続かない。

本来であれば、すでに海外で成果を上げている企業や、実際に市場を知る事業者と十分に話し合い、民間の経験を生かすべきだった。

任天堂やソニーのように自力で海外市場を切り開いてきた企業の知見を十分に生かせず、実績の乏しい事業に政策資金を投じたことが、官製ファンドの目利きの甘さを浮き彫りにした。

成功している企業には、売れる商品だけでなく、売るための仕組みがある。そこを軽視し、実績の定かでない企業に看板事業を任せるような形になれば、官民ファンドは政策支援ではなく、リスクの肩代わりになりかねない。

クールジャパンという言葉は、海外から見た日本の魅力を象徴してきた。しかし、その魅力を事業として育て、利益として回収するには、情緒ではなく経営の目が要る。今回の巨額損失は、日本文化の失敗ではない。官が主導して「売れるはずだ」と描いた構想と、実際の市場との距離を映したものといえる。

 

 

 


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