メガソーラー開発の転機──規制強化時代へ踏み出す再エネ現場
北海道が釧路湿原周辺で計画されているメガソーラー事業に対し、事業者の提出した土壌汚染調査計画書を「不十分」として受理しなかった今回の対応は、再生可能エネルギー開発をめぐる流れが確実に変わりつつあることを物語っている。
大阪の事業者「日本エコロジー」は、釧路市北斗で約6600枚の太陽光パネルを設置する計画を進めているが、これまでに森林法や盛土規制法に違反した経緯があり、行政との信頼関係は揺らいでいた。道は土壌汚染の有無を判断するための調査計画書を期限までに提出するよう求めていたものの、提示された内容には必要な項目や説明が欠けていたとされ、再提出が求められる結果となった。
釧路湿原は国内最大級の湿地として国際的に保全価値が高い地域であり、開発行為に対する住民の不安や行政の警戒は強い。環境への影響が一度発生すれば、回復には長い時間と莫大な費用がかかる可能性がある。そのため、最低限の手続きである調査計画書の不備は、事業者への信頼をさらに損なうことになった。
こうした事例が増えている背景には、高市内閣がメガソーラーによる山林崩壊や景観破壊、治水リスクなどを重く見ているという政治的な潮流がある。再エネ推進は政府方針として変わらないが、「乱開発による副作用」が社会問題化したことで、行政判断は以前よりも厳格になりつつある。
今後のメガソーラー業界は、これまでのようなスピード優先の開発が通用しにくくなり、法令順守、地元との調整、環境への詳細な配慮といった“当たり前の要件”が、より高いレベルで求められる局面に入るだろう。太陽光発電そのものへの期待は依然として大きいものの、「どこでも建てられる時代」は終わりを迎えつつある。
持続的な再エネ普及に向け、透明性のあるプロセスと地域の理解を得る努力が不可欠だということを、今回の釧路の事例は鮮明に示している。






