アイコン 中東発の物価高、日本市場を直撃(後編) 建材不足が地方企業の倒産リスクに

Posted:[ 2026年7月16日 ]

中東情勢の影響が、国内の建材市場にも及び始めている。原油や石油化学原料、アルミ、物流費などの上昇に加え、一部建材では仕入れや納期の不安定化も指摘されており、建材卸や販売会社の経営を圧迫している。

宮崎県都城市の建材販売会社、三坂建材は、約3億円の負債を抱え、破産手続開始の申し立てに向けた準備に入った。同社は1975年設立で、市内の建築業者などに住宅用建材を販売していた。

2023年4月期には約5億4500万円の売上高を計上していたが、物価高などによる販売不振から、2025年4月期には約4億5000万円まで減少した。さらに中東情勢の影響により、住宅用サッシなどの仕入れが難しくなり、資金繰りが急速に悪化したとされる。

 



スポンサーリンク

ただし、経営破綻の原因を中東情勢だけに求めるのは適切ではない。同社はすでに販売減少によって収益基盤が弱まっており、そこへ仕入れ難やコスト上昇が重なったことで、事業継続が困難になったとみるべきだろう。

建材販売会社では、仕入れ価格が上昇しても、受注済みの工事について販売価格を変更できないケースが多い。高値で商品を確保するための資金が必要になる一方、納品が遅れれば売上の計上も遅れる。仕入れ代金や借入金の返済だけが先行し、利益が出ていても手元資金が不足する事態が起こり得る。

住宅用サッシ一つをとっても、アルミ、樹脂部材、ガラス、塗料、輸送費など複数のコストが関係する。中東から完成品が直接入らなくなるという単純な問題ではなく、原料、部品、製造、物流のどこかが滞ることで、価格上昇や納期遅延が発生する。

建材価格の上昇は、販売会社だけでなく、工務店、住宅会社、リフォーム業者、施主にも波及する。見積もり後の価格上昇によって工事の採算が悪化し、住宅価格の上昇や着工延期につながる可能性もある。

今回の事例は、中東情勢が既存の経営課題を抱える地方企業に追い打ちをかける構図を示している。今後、同様の問題が広がるかどうかを見るには、建材メーカーの価格改定、納期、住宅着工、建材卸の倒産動向を継続的に確認する必要がある。

 

 


スポンサーリンク

HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

 




スポンサーリンク

スポンサーリンク