運送業、6月も採算悪化続く...荷動き下げ止まりも、燃料高と価格転嫁の遅れ重荷
運送業界の収益環境が厳しさを増している。2026年6月のトラック運送市場は、荷動きに下げ止まりの兆しがみられる一方、燃料費の高止まりや人件費の上昇、荷主への価格転嫁の遅れが重なり、中小事業者を中心に採算悪化が続いた。
国内貨物の荷動きは、製造業や建設関連の需要に弱さが残るものの、急激な落ち込みは一服している。物流関連の調査では、4〜6月期の荷動き見通しが前期より改善するとの見方もあり、輸送需要は底割れを免れた形だ。ただ、回復の勢いは鈍く、地域や業種によっては低調な荷量が続いている。
最大の重荷となっているのが燃料費だ。軽油価格は政府の価格抑制策が続く中でも高止まりしており、長距離輸送や低単価の下請け業務を多く抱える事業者ほど影響を受けやすい。燃料サーチャージを導入できない取引先や、運賃改定に応じない荷主もあり、コスト上昇分を十分に転嫁できない状況が残る。
人手不足も収益を圧迫している。ドライバー確保のため賃上げや労働環境の改善が求められる一方、荷待ち時間や附帯作業の負担が十分に料金へ反映されていないケースも多い。2024年問題以降、労働時間規制への対応が進むなか、運行効率の改善や共同配送の導入も急務となっている。
政府は物流効率化法の改正などを通じ、荷主にも取引適正化を求めている。荷待ち時間の削減や、燃料費・人件費を反映した適正運賃の実現が進むかが今後の焦点となる。
6月の運送業界は、荷動きこそ下げ止まりつつあるものの、収益改善にはなお時間を要する情勢だ。燃料高や人件費負担を価格に転嫁できない事業者では、資金繰りの悪化が避けられず、今後も倒産や廃業が増える可能性がある。





