鳥取県倉吉市で150年以上の業歴を持つ湊屋石油株式会社が10月1日、鳥取地裁倉吉支部から破産手続き開始決定を受けた。負債は約4億8,000万円とされる。
同社はガソリンスタンドやLPガスを主力としてきたが、石油販売を取り巻く市場環境の変化に対応するため、近年は旧ガソリンスタンド跡をカフェとコインランドリーに転換。iPhone修理やチョコレート販売にも進出するなど、石油事業に依存しない収益構造への転換を進めていた。
【鳥取】創業150年超の湊屋石油が破産 SS跡を「元町珈琲」に転換、売上22億円超から8億円台 負債4.8億円鳥取県倉吉市で150年以上の業歴を持つ湊屋石油株式会社が10月1日、鳥取地裁倉吉支部から破産手続き開始決定を受けた。負債は約4億8,000万円とされる。
同社はガソリンスタンドやLPガスを主力としてきたが、石油販売を取り巻く市場環境の変化に対応するため、近年は旧ガソリンスタンド跡をカフェとコインランドリーに転換。iPhone修理やチョコレート販売にも進出するなど、石油事業に依存しない収益構造への転換を進めていた。
| 法人名 | 湊屋石油株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 鳥取県倉吉市 |
| 法人番号 | 2270001005127 |
| 創業 | 明治初期 |
| 主要事業 | ガソリンスタンド、LPガス、飲食、コインランドリーなど |
| 手続き | 破産手続き開始決定 |
| 負債 | 約4億8,000万円 |
湊屋石油の歴史は明治初期にさかのぼる。創業当初は椿油やろうそくなどを販売し、1954年に倉吉市で給油所を開設して自動車用燃料の販売へ進出した。
1963年にはガススタンドを開設し、厨房設備や冷暖房、給湯器なども取り扱うようになり、1965年に法人化。その後、大正町や河北などに給油所を展開し、ガソリンスタンドとLPガスを柱に地域の燃料需要を支えてきた。
業容拡大期には年間売上高が約22億3,300万円に達した時期もあったとされる。
大きな転換点となったのが2020年だった。
同社は本社建て替えに伴い、倉吉市昭和町で長年営業してきた昭和町SSを同年3月末で閉鎖。燃料販売はセルフ大正町SSと河北SSへ集約した。
昭和町SSの閉店時には、跡地をガソリンスタンドではない新たな店舗へ生まれ変わらせる方針を示しており、石油販売以外の収益源を育てる事業転換を進めていた。
計画が形になったのは2022年5月。旧昭和町SS跡に「元町珈琲 鳥取倉吉の離れ」と、コインランドリー「ランドリーみなとや」を同時にオープンした。
元町珈琲は山陰地方では初出店。本社機能と新規事業を組み合わせた複合拠点として、創業以来の主力だった石油関連事業とは異なる客層の取り込みを図った。
その後も多角化を進め、2022年11月には河北SS内にiPhone修理店「アイサポ鳥取倉吉店」を開設。2023年11月には元町珈琲内にチョコレート専門店「CACAOCAT鳥取倉吉店」を設けた。
ガソリン、LPガスから、カフェ、コインランドリー、スマートフォン修理、食品販売へと事業領域を広げる形となった。
一方、本業を取り巻く環境は長期的に厳しさを増していた。
地域人口の減少などを背景に燃料需要が低迷し、新型コロナウイルス禍も業績を圧迫。ピーク時に約22億3,300万円あった年間売上高は、2025年8月期には約8億3,000万円まで縮小したとされる。
新たな事業への転換を進めたものの、既存事業の縮小を補うまでには至らず、採算性の低下が続いた。
事業転換に伴って進めた本社・複合施設の新築では借入金も膨らみ、その返済負担が資金繰りを圧迫したとされる。
それでも破綻直前まで事業は続いており、2026年8月にも燃料販売価格の変更やお盆期間の営業予定を公式サイトで案内していた。アイサポについても同年6月以降の修理料金を掲載していた。
燃料販売の縮小に対応するため、創業地のガソリンスタンドをカフェなどへ作り替えるまでの事業転換を進めた湊屋石油だったが、新規事業への投資負担と既存事業の縮小を吸収できず、事業継続を断念することとなった。