【神奈川】トイザらス民事再生 玩具市場は過去最高なのになぜ 売上1943億円から752億円、負債132億円
玩具・ベビー用品専門店「トイザらス」「ベビーザらス」を全国展開する日本トイザらス(株)(法人番号:6020001071355、神奈川県川崎市幸区)が10月1日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。
負債総額は債権者1159名に対して132億2600万円。同日、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などを展開する(株)パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)も、日本トイザらスの事業再生に関するリリースを公表した。
今回の経営破綻で目を引くのは、日本の玩具市場そのものが縮小しているわけではないことだ。国内玩具市場は2025年度に1兆1664億円と過去最高を更新する一方、日本トイザらスの売上高はピーク時の約1943億円から752億円まで縮小していた。
| 法人名 | 日本トイザらス(株) |
|---|---|
| 法人番号 | 6020001071355 |
| 所在地 | 神奈川県川崎市幸区 |
| 主要事業 | 玩具・子供用品・ベビー用品などの販売 |
| 手続き | 民事再生法適用申請 |
| 申請日 | 2026年10月1日 |
| 申立先 | 東京地裁 |
| 負債 | 132億2600万円/債権者1159名 |
売上1943億円から752億円へ
日本トイザらスは1989年11月、米国トイザらス社と日本マクドナルドなどの出資で設立され、1991年12月に国内1号店を開業した。その後、大型玩具専門店「トイザらス」を全国へ展開し、2002年にはベビー用品を扱う「ベビーザらス」もスタートした。
店舗網の拡大とともに成長し、2007年1月期には売上高約1943億6400万円を計上。全国を代表する玩具専門店チェーンへ成長した。
しかし、その後は売上規模が長期的に縮小。2025年12月期の売上高は752億1100万円となり、ピーク時と比べ約61%減少した。前期の809億300万円からも7.0%減っている。
8期連続の最終赤字、2025年は37億円
収益面も厳しい状態が続いた。2025年12月期は売上高752億1100万円に対し、営業損失27億8800万円、経常損失29億5100万円、最終損失37億5900万円を計上した。
最終損益は8期連続の赤字となり、利益剰余金はマイナス69億4000万円。株主資本も85億9600万円まで縮小していた。
ECの普及による購買行動の変化に加え、玩具を扱う家電量販店や量販店など販売チャネル間の競争が強まるなか、同社の売上減少に歯止めをかけられない状況が続いた。
それでも日本の玩具市場は「過去最高」
一方、日本玩具協会によると、2025年度の国内玩具市場規模は前年度比6.3%増の1兆1664億円。2021年度以降、5年連続で過去最高を更新している。
特に伸びているのがカードゲーム・トレーディングカードで、市場規模は3384億円。玩具市場全体のおよそ3割を占めるまでに拡大した。ホビーも1960億円、ぬいぐるみも624億円まで成長している。
つまり、「少子化で子どもが減ったため、国内の玩具市場そのものが縮小した」という状況ではない。玩具市場全体が拡大を続けるなかで、日本トイザらスの売上高は減少していたという対照的な動きが続いていた。
「キダルト」専門店は初日売上が計画比386%
日本トイザらスも新たな需要への対応を進めていた。
2026年7月には東京・上野マルイに、大人が玩具やホビーを楽しむ「キダルト」を主な対象とした新業態店を開業。ホビーやキャラクターグッズ、コレクター向け商品などを展開し、オープン初日の売上高は計画比386%を記録した。
7月24日時点では全国159店舗を運営し、8月には大阪府、9月4日には東京都東久留米市にも新店舗を出店。民事再生申請直前まで、新店や新業態への展開を続けていた。
ただし、個別店舗や新業態の好調だけでは、長期にわたって積み上がった会社全体の赤字を解消するまでには至らなかった。
PPIHの支援で事業再生へ
日本トイザらスは10月1日に民事再生法の適用を申請。負債総額は債権者1159名に対して132億2600万円となった。
「ドン・キホーテ」などを展開するPPIHも同日、日本トイザらスの事業再生に関するリリースを公表しており、今後は民事再生手続きのなかで事業の再建を進めることになる。
今回の民事再生を、直ちに全国の「トイザらス」「ベビーザらス」が一斉閉店するものと捉えるのは適切ではない。店舗やブランド、事業の具体的な承継範囲については、再生手続きや今後の正式発表を確認する必要がある。
なぜ市場拡大のなかで民事再生に
今回の数字から確認できるのは、日本トイザらスの経営悪化を「玩具市場の縮小」だけでは説明できないという点だ。
国内玩具市場は1兆1664億円まで拡大し、カードゲーム、トレーディングカード、ホビー、ぬいぐるみなど新たな需要が市場を押し上げている。その一方、日本トイザらスはピーク時から売上高が6割以上減少し、最終赤字が長期化した。
市場がなくなったのではなく、市場の中身や購入経路が変化するなかで、大型玩具専門店として長く全国展開してきた日本トイザらスの事業基盤と収益力が縮小していった。その立て直しが、PPIHの支援を受けた民事再生へ移ることになった。
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