愛知県名古屋市昭和区でキリスト教関連の書籍などを販売する「名古屋聖文舎」が、2027年3月31日をもって店舗を閉店する。運営する有限会社聖文舎(名古屋市昭和区、法人番号:2180002004525)は店舗営業を終了し、法人の解散・清算を進める方針。専門紙「キリスト新聞」が2026年10月12日に報じた。
同社は2023年7月、名古屋市千種区今池の旧店舗から昭和区の東海教会敷地内へ移転し、売場面積を従来の約3分の1に縮小。賃料などの固定費削減を図りながら営業を続けてきたが、売上高の減少が想定を上回り、累積損失を解消できなかったという。
一方、金融機関などからの借入金は前期までに完済しており、現時点で破産などの法的整理を申請したという情報はない。閉店後も学校向け教科書などの一部販売は個人事業として継続する予定で、書籍販売事業が全面的に終了するわけではない。
2023年に今池から昭和区へ移転 売場を約10坪に縮小
名古屋聖文舎はキリスト教の専門書籍、教会関連用品、学校向け教材などを扱う専門書店として営業してきた。
2023年5月10日付の会社公式「店舗移転のお知らせ」によると、それまで営業していた名古屋市千種区今池の店舗を閉鎖し、日本基督教団東海教会の敷地内にある「シオン館」へ移転することを決定した。
新店舗の面積は約10坪で、従来の売場面積の約3分の1。書籍や教会用品などの在庫を削減し、店舗営業を縮小する方針を示していた。
同社は当時の通知で、全国的な書店の閉店・廃業が進む中、キリスト教専門書店についても配達業務を含めた従来のサービスを維持することが難しくなっていると説明していた。
2023年6月17日から7月3日まで移転のため休業し、7月4日から新店舗で営業を再開。賃料の負担を抑え、限られた売場面積と在庫で事業を続ける体制へ転換していた。
固定費削減も売上減少を補えず 累積損失が解消困難に
キリスト新聞によると、店舗移転による賃料負担の軽減など、経営改善を進めてきたものの、売上高の減少は想定を上回る速さで進んだ。
累積損失の解消が難しく、赤字経営からの脱却も困難と判断したことが、今回の閉店を決めた理由とされる。
書店業界ではインターネット通販や電子書籍、スマートフォンの普及などによって購入方法が多様化している。キリスト教関連の書籍を専門に扱う同社も、こうした事業環境の変化に直面してきた。
一方、金融機関などからの借入金については前期までにすべて完済したと報じられている。残る債務は内部関係者からの貸付金とされ、今回の法人整理は債権者による破産申立てや民事再生手続きなどとは異なる。
なお、売上高の具体的な推移や累積損失額、直近決算の数値は公表資料から確認できていない。
2027年初めに解散決議へ 7月末までに清算完了を計画
同社は2026年10月1日付で顧客に店舗閉店の方針を通知した。
専門紙の報道によると、株主総会で店舗閉店と法人の解散・清算方針を決定しており、2027年初めに臨時株主総会を開いて、法人解散の特別決議と清算人の選任を行う予定となっている。
法人の清算結了は2027年7月末ごろを見込む。ただし、正式な法人解散決議は今後の予定であり、現時点で解散済みとなったわけではない。
法人番号公表情報では、有限会社聖文舎の本店所在地は名古屋市昭和区となっている。
2027年4月以降は無店舗の個人事業として一部販売を継続
店舗閉店後については、2027年4月から無店舗の個人事業として、学校関係の教科書や名古屋市内の一部地域を対象とした書籍販売などを限定的に継続する方針が示されている。
このため、今回の動きは「名古屋聖文舎」の実店舗終了と、有限会社聖文舎の解散・清算に向けた事業整理であり、従来取り扱ってきた書籍の販売がすべて終了するものではない。
2023年の移転から約3年8カ月で実店舗の営業を終えることになる。店舗面積と在庫を削減しながら事業継続を図った専門書店の取り組みは、地域の書店が置かれる経営環境を示す事例の一つとなる。
名古屋聖文舎の店舗再編と法人整理の予定
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項目 |
内容 |
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運営法人 |
有限会社聖文舎 |
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所在地 |
愛知県名古屋市昭和区 |
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法人番号 |
2180002004525 |
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2023年7月 |
今池からシオン館へ移転、売場面積約10坪に縮小 |
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店舗閉店予定 |
2027年3月31日 |
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法人の解散 |
2027年初めに特別決議を予定 |
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清算結了 |
2027年7月末ごろを予定 |
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閉店後の事業 |
個人事業で教科書などの限定販売を継続予定 |