【北海道・清水】十勝千年の森が18年で閉園 敷地約400ヘクタール、森林管理は継続
北海道上川郡清水町の観光庭園「十勝千年の森」が、2026年10月12日の営業を最後に閉園した。運営する株式会社十勝毎日新聞社(北海道帯広市、法人番号:4460101001153)が10月13日に正式発表した。2008年のグランドオープンから18年で、一般来園者を迎える観光庭園としての営業を終了した。
同施設は日高山脈の麓に位置し、森林や旧農地を含む約400ヘクタールの敷地を活用した環境体験型施設として整備された。国際的な庭園賞を受賞したほか、自然体験や農業、アートなどを組み合わせた観光施設として知られていた。
一方、十勝毎日新聞社は閉園後も森林管理とカーボン・オフセットの取り組みを継続するとしており、観光庭園事業の終了が森林事業そのものの終了を意味するわけではない。
新聞社の環境貢献活動が出発点 1990年代から森づくり
十勝千年の森は、新聞の発行に大量の紙を使用する十勝毎日新聞社が、企業の環境負荷を森林の育成によって補う「カーボン・オフセット」の理念を実践する取り組みとして始まった。
1990年代から森林の育成に取り組み、1994年には高野ランドスケーププランニングにマスタープランの策定を依頼。森林、農業、教育、エコツーリズムを柱とした環境体験型施設の構想が進められた。
その後、英国のガーデンデザイナー、ダン・ピアソン氏らも設計に参加。2008年に観光庭園としてグランドオープンした。
施設では、大地の起伏を生かした「アースガーデン」、自然の植生を生かした「メドウガーデン」、農業と身近に触れ合う「ファームガーデン」、森林環境を体験する「フォレストガーデン」などを整備。園内では自然観察やセグウェイ体験、ヤギとの触れ合いなども行われてきた。
約400ヘクタールという規模は、庭園だけではなく森林や旧農地などを含む事業敷地全体の面積であり、一般公開された庭園部分のみの面積ではない。
2012年に英国の庭園賞で大賞 国際的な評価を獲得
十勝千年の森は、自然環境を生かした庭園設計で国内外から評価を受けた。
2012年には英国ガーデンデザイナーズ協会(SGD)の賞で大賞を受賞。同年には北海道ガーデンショーの主会場となり、北海道の庭園文化を発信する拠点の一つとなった。
2017年には土木学会デザイン賞の最優秀賞を受賞。2018年には国際造園家連盟(IFLA)が主催するアフリカ・アジア太平洋・中東地区大会のAAPME賞で、生物多様性や生態系に配慮した環境づくりの部門において最優秀賞を受賞した。
自然に大きな人工構造物を加えるのではなく、その土地が本来持つ地形や植生を引き出す設計手法が特徴で、観光施設としてだけでなく、環境共生型のランドスケープ事業としても実績を残した。
森林管理とチーズ販売は継続 閉園理由の詳細は非公表
十勝毎日新聞社は9月16日、諸般の事情により10月12日をもって閉園すると発表。10月13日には正式に閉園したことを報告した。
閉園の具体的な理由については明らかにしておらず、来園者数の減少や採算悪化などを原因とする資料は確認できていない。
一方、閉園後については、同社が継続してきたカーボン・オフセット活動と森林管理を続ける方針を示している。また、園内のキサラファームチーズ工房で製造されるチーズについても、各販売店などで販売を継続する予定としている。
観光庭園としての18年間の営業は終了したが、森林そのものを維持・管理する活動は続くことになる。閉園後の園内施設や土地の具体的な利用計画については、現時点で明らかにされていない。
十勝千年の森の施設概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 十勝千年の森 |
| 所在地 | 北海道上川郡清水町 |
| 運営主体 | 株式会社十勝毎日新聞社 |
| 法人番号 | 4460101001153 |
| 事業敷地 | 約400ヘクタール(森林・旧農地などを含む) |
| グランドオープン | 2008年 |
| 最終営業日 | 2026年10月12日 |
| 閉園後 | 森林管理・カーボン・オフセット活動を継続 |





