アイコン 【解説】栗本建設工業・栗本鐵工所信用なし

栗本鐵工所は100%子会社を堂々と潰した。

栗本建設工業は、昨年には焦付き多発など問題とするところは多々あったが、親会社から資本・金融支援を受け、経営改善の指導も受け、支店閉鎖をはじめ大幅なリストラを敢行してきた。そのため栗本建設工業は大丈夫と判断した多くの協力業者がこれまで協力してきたのである。

親会社の栗本鐵工所が「藪から棒に100%子会社であっても、もうこれ以上支援しません」では、協力業者は納得すまい。栗本鐵工所は事業の再編を強力に推進していることは分かるが、09/3期の赤字の中には、流動性資金である投資有価証券を207億円(08/3期、総資産の10.7%)も持っていたため評価損や談合による課徴金など親会社の責になるところも多々ある。
栗本鐵工所の前期決算232億02百万円の赤字の原因は特損によるものである。
内訳は
投資有価証券評価損 58億31百万円
(投資有価証券計上残高、08/3期207億62百万円→09/3月期112億31百万円)
談合の課徴金繰入額 29億34百万円、
事業再編損          80億43百万円、
栗本建設工業関係の債権取立不能貸倒引当金繰入額48億46百万円
その他              33億45百万円
合計250億1百万円の特別損が原因となっている。
 
栗本建設工業の破綻に至る動き
  08年4月:栗本鐵工所が引き受けで50億円増資。
     5月:近藤産業(大阪)に11億59百万円焦付
     6月:愛松産業(名古屋)に12億93百万円焦付
     7月:矢緒企画(福岡県)に焦付→7階まで建て放棄
    10月:不動産関係を栗建サービスに分離譲渡して本業専念体制取る。
    11月:栗本建設工業の解散報道があり、打ち消す。
    12月:北海道・北陸・九州の支店・営業所閉鎖
  09年5月:栗本建設工業の売却報道あり、打ち消す。
      (栗本鐵工所がどっかに売ろうと打診したのがバレたか・・・)
   6月4日:民事再生法申請

★08年3月期の決算の簡単な財務内容(栗本建設工業) 百万円

流動資産
28,455
流動負債
32,171
 
 
固定負債
1,304
固定資産
5,552
自己資本
532
総資産
34,007
負債+自己資本
34,007
※08年4月の50億円の増資前  

建設業者の工事現場の引渡しは年度末の3月が一番多い、ということは今債権・債務が一番ピークになっている。民事再生をかければ、債権は回収されようが、現場債務者はたまったものではない。不意打ちを喰らった協力業者の破綻が目に見える。大阪の人間(=栗本鐵工所)がやることだけはある。怒っているのだ。

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[ 2009年6月 5日 ]
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