アイコン 解説、㈱かずさアカデミアパークの破綻

千葉県や木更津市などが出資する第3セクターの「かずさアカデミアパーク」(木更津市、資本金97億50百万円、代表:相原茂雄)が、負債総額約57億70百万円で、25日千葉地裁に民事再生法の適用を申請した。
負債約57億70百万円のうち千葉県が17億37百万円の焦付き、国営の日本政策投資銀行が14億43百万円焦げ付いている。千葉県は、出資比率35.9%であるため35億円を出資しており、紙切れになったのは合計して52億円を超える。


そのほか出資していた木更津市(出資金5億円)や君津市(2億円)及び富津市(1億円)・袖ヶ浦市(1億円)の出資金がそれぞれ紙切れになった。
現状、ホテルは、ホテルオークラが委託運営しており、そのまま運営の意向である。
同社は、沼田県知事時代、上総新研究開発計画に基づき1991年9月設立、先端技術の研究開発地区として「かずさアカデミアパーク」(278ヘクタール)が企画整備され、ホテルとスポーツジムを経営、「かずさアカデミアホール」を県から運営委託され、当施設全体の管理業務も行ってきた。しかしバブル末期に建設され、バブル崩壊と共に同施設への進出予定企業が進出を断念、設立から18年連続して赤字決算を露呈していた。これまで千葉県などが運転資金を貸し付けて長らえてきたが、森田知事がこれ以上、無駄金は出せないとして破綻させたものである。
元々建設資金は、立地企業から建設協力金を取得して開発する計画(途中で凍結)であったため、富士通が5億97百万円(40.8ha取得済、未進出)、佐藤製薬が2億円(進出済)、田辺三菱製薬が1億3百万円(進出済)、今回の民事再生申請で焦げ付いている。現在までの進出企業は11社にとどまる。
民間の融資銀行は千葉銀行・京葉銀行などあるが、某銀行は早々アストライ債権回収(株)に債権を売却していた。そこまで金融機関は同施設に三行半を突きつけていた。通常こういう施設では金融機関も大きく焦げ付くが、債権額の大きい銀行の千葉銀行でも4億58百万円、京葉銀行1億54百万円しか債権額はない。
 

かずさA
[ 2010年2月 1日 ]
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