アイコン 再々編必至の九州各行の中間決算⑦/銀行再々編必至か

全国では金融再編がここに来てまた加速している。最近の再編は目がバンク主導になっている点も見逃せない。これまでは日銀もしくは財務省(旧大蔵省)主導で行われてきたことからすれば、時代が変わってきたのであろう。九州の銀行を見た場合も地場景気がジリ貧になる中、リーマンショックの打撃を受け再編必至と思われる。
これまでを振り返ると、

福岡銀行は、日銀の要請により熊本ファミリー銀行を支援した時、肥後銀行が名乗りを上げたそうだが日銀が拒絶、地場産業を育成せず・泥を被ってこなかった責任を問われたそうである。そうして福銀は2,000億円の不良債権を有していた親和銀行も支援させられ不良債権を処理、屈強なふくおかフィナンシャルグループをやっと再構築した。再編の動きでは、広島銀行とシステムを共有しており次の次の再編ではクローズアップされるものと思われる。

 西日本銀行は、大蔵省(=財務省)から福岡シティ銀行の支援要請を受けた。福岡シティ銀行は公的資金も導入して不良債権を殆ど処理後傘下入りしたため、西銀の大きな重荷にはならなかったものの問題児を抱えたことだけは間違いなく、その処理もほぼ終了している。
また、放漫経営の豊和銀行が危機に瀕し、財務省より西日本シティ銀行に対して支援要請があり、支援を打ち出すもこちらは財務内容の健全化までは債権回収機構が管理経営している。
 前期決算で注目されるのは南日本銀行と宮崎太陽銀行である。それに以前から取り沙汰されている「有明銀行」構想(十八-佐賀-筑邦)の実現である。十八銀行は三菱UFJフィナンシャルグループと関係が深いが、寄せ集め銀行である佐賀銀行がネックであるものの時代は変わってきており、再編の可能性は高い。システムも同じ社で構築されている。佐賀共栄銀行は既に佐賀銀行の子飼いであり、佐賀銀行再編時必然的に統合されよう。

肥後銀行は、孤高の戦いとなろうが、いずれ鹿児島銀行との統合も視野に入ってくる。郵政・財務局など中央官庁の出先が、九州では熊本に集中していたため殿様商売ができていたが、今では実質的に中央官庁の機能も福岡に集中してきている。新幹線の開通も目前であり、今後更なる空洞化も懸念される。信金のように小じんまり納まる手もある。

宮崎太陽銀行は、不良債権処理の時にも某出版者の危ない銀行にリストアップされたが、自らは強気に否定していた。しかし、前期は性懲りもなく再度不良債権処理に大赤字を露呈している。同じ地場の宮崎銀行も今期は回復させてはきているが、前期は不良債権から大赤字を露呈しているため(国内基準10.89%⇒9.74%)、すんなり宮崎太陽銀行を抱えるわけにはいかないだろう。宮崎銀行は宮崎太陽銀行も含め「東九州銀行」として一挙に大分銀行との統合もありうる。

南日本銀行は、前期大赤字を出している。美味しい取引先は鹿児島銀行に押えられていることから回復には時間がかかる。鹿児島銀行は危険を避け、地場企業育成の考えなど毛頭ないところは肥後銀行と同じである。日銀より地場経済の牽引役を果たすべく、南日本銀行を引き受けさせられる可能性は残る。

福岡中央銀行は、所詮福岡銀行の傀儡政権であり、ふくおかFGが親和と熊本ファミリーの処理が終われば同行を正式に吸収することになろう。同行は元(正金)相互銀行だけにリテール事業に強いが規模が小さすぎる。単独で存在させる意味もなく、ふくおかFGの傘下で地場リテール銀行として、同グループの先鋒隊として生かすことを考えるべきであろう。
そのほかでは、地場小規模銀行顔負けの総資産を有する福岡ひびき信金(総資産6,411億54百万円、貸付残高3,469億56百万円))が面白い。県の信金同士で大同合併するか、肌は違うがお隣さんの遠賀信金と合併するかである。福岡信金は福岡市の天下り信金であり合併や統合は、天下り先がなくなることから嫌がるであろう。
 

[ 2009年12月 2日 ]
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