再々編必至の九州各行の中間決算⑩/ふくおかFG研究②
<ふくおかFG(福銀・親和・熊本F+連結)の業種別貸付状況>
業種/億円 | 09/9月末 | 09/3月 | 08/9月 | 09/9-08-9 |
貸付総残高 | 82,282 | 82,245 | 80,424 | 1,858 |
製造業 | 6,807 | 6,928 | 7,003 | -196 |
農業、林業 | 146 | 142 | 147 | -1 |
漁業 | 146 | 160 | 153 | -7 |
鉱業、採石業、砂利採取業 | 108 | 117 | 117 | -9 |
建設業 | 2,745 | 2,963 | 2,802 | -57 |
電気、ガス | 781 | 839 | 836 | -55 |
情報通信業 | 571 | 539 | 507 | 64 |
運輸業、郵便業 | 3,048 | 3,110 | 2,845 | 203 |
卸売業、小売業 | 9,825 | 10,342 | 10,522 | -697 |
金融業、保険業 | 379 | 4,058 | 4,365 | -3,986 |
不動産業、物品賃貸業 | 12,002 | 12,201 | 12,204 | -202 |
その他各種サービス業 | 8,981 | 9,327 | 9,524 | -543 |
地方公共団体 | 10,241 | 8,944 | 7,080 | 3,161 |
その他 | 23,083 | 22,768 | 22,314 | 769 |
ふくおかFGのリスク債権は、08年9月中間期での3,958億円から09年9月中間期には2,871億円と▲1,087億円減じている。破綻や貸付債権の売却などにより減じたのであろう。昨年から今年3月期までに多くの不動産会社やゼネコンが破綻した。しかし破綻した企業への融資残は、殆ど貸付残高から外されている。
<福岡銀行>
福岡銀行 業種/億円 | 09/9月 | 08/9月 | 07/3月 | 06/3月 | 09/9-06-9 |
貸付総残高 | 61,990 | 58,173 | 53,805 | 51,146 | 10,844 |
製造業 | 5,357 | 5,215 | 4,618 | 4,345 | 1,012 |
農業、林業 | 81 | 67 | 39 | 35 | 46 |
漁業 | 91 | 42 | 43 | 42 | 49 |
鉱業、採石業、砂利採取業 | 53 | 38 | 42 | 45 | 8 |
建設業 | 1,818 | 1,713 | 1,931 | 1,847 | -29 |
電気、ガス | 625 | 645 | 495 | 519 | 106 |
情報通信業 | 398 | 365 | 317 | 288 | 110 |
運輸業、郵便業 | 2,587 | 2,219 | 1,958 | 1,726 | 861 |
卸売業、小売業 | 7,828 | 8,125 | 7,814 | 7,540 | 288 |
金融業、保険業 | 3,031 | 3,274 | 3,016 | 2,926 | 105 |
不動産業、物品賃貸業※ | 9,500 | 9,646 | 7,916 | 7,182 | 2,318 |
その他各種サービス業 | 6,056 | 5,534 | 6,759 | 6,615 | -559 |
地方公共団体 | 8,153 | 5,618 | 4,062 | 3,925 | 4,228 |
その他 | 16,404 | 15,664 | 14,789 | 14,103 | 2,301 |
※不動産業に物品賃貸業が加算されたのは08/9月期からであり、それまでは不動産業単独。 |
福岡銀行は、3年間で1兆円融資残高を増加させたが、その4割は地方公共団体への融資増となっている。
懸案の不動産業者向けの融資は、09/9月期より物品賃貸業(レンタル・リース?) の融資残が合算されたため比較できず。そのため物品賃貸業向けの融資残高(08/9期1,036億円、09/3月期1,024億円)を差し引けば次の通りとなる。
福岡銀行 業種/億円 | 09/9月 | 08/9月 | 07/3月 | 06/3月 | 09/9- 06-9 | |
不動産業のみ (推定) | 8,476 | 8,622 | 7,916 | 7,182 | 1,294 |
不動産事業者向け融資残は、ここ3年で1,294億円増加しており、貸し剥がしはない結果になる。しかし、福岡のデベロッパーへの融資は総じて減じており、中央のデベロッパーへの融資を増加させていたのであろう。そのためか不動産業者向け融資残高のうちリスク債権が08年3月期には194億円、09年3月期には486億円と292億円も増加している。
企業は不況により全業種にわたって業績を悪化させており、福銀の融資も消極的となっている。貸付残高に対するリスク債権も08年3月期1,444億円から09年3月期には2,548億円と1年間で76.4%も増加している。ますますリスクの心配のない地方公共団体への融資が増加する危険性もある。
福銀は福岡市のアイランドシティの開発に対して、博多港開発及び福岡市に対して膨大な貸付をなしている。ダッチロールの福岡市も売却に困り果てており、高値で本社ビル用地をアイランドシティに購入するような芸当はできなかったようである。谷頭取は黒田の殿様になりたかったのであろう。
[ 2009年12月 7日 ]
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