再々編必至の九州各行の中間決算⑪/ふくおかFG研究③
<親和銀行の貸し剥がし急>
ふくおかFGは、メガバンクのような中小企業向け融資の貸し剥がしは行っていないデータとなっているように見える。ここ1年間で福銀は中小企業向け融資を増加させているが、親和銀行は1,582億円も貸し剥がしを行い、熊本Fも688億円も減じている。
特に問題となるのは、親和銀行の中小企業向け融資減である。長崎県は長崎市の十八銀行、佐世保市の親和銀行と大きく棲み分けされており、こうした動きは長崎の北部経済に影響しているものと推察される。鈴木木材Gや辻産業を破綻させたこともあるが、1,582億円の数値は只事ではない。長崎県の金子県知事が願ったようには、金子漁業グループを除いては決して動いていないことがはっきりとした数値で現れている。
また、地方公共団体への融資を拡大させたため、総体的にも比率が減じている。
<中小企業向け融資の状況>
/億円 | 09/9月 | ⇒率 | 08/9月 | ⇒率 |
3行合計 | 57,773 | 70.2% | 58,726 | 73.1% |
福岡銀行 | 41,856 | 67.5% | 40,539 | 69.7% |
親和銀行 | 8,394 | 71.2% | 9,976 | 76.7% |
熊本F銀行 | 7,523 | 88.4% | 8,211 | 89.1% |
※ 率は融資総残高に占める割合。
経常収益(=粗利)が減じている。融資残高が増加している中でそうしたことは貸付金利を下げたとしか考えられないが、企業からそうした報告は聞かれない。経常収益の64%を占める貸付利息収入の減少は、大手企業や地方自治体への低金利融資を増加させたからにほかならない。
不良債権処理は、ふくおかFGにとってこれまで悩まし問題であった。かといってリスク判断を融資の最優先にして、電子計算機により福岡基準で一律に融資の合否を決定すれば、育つ企業も育たず、長期営業戦略ではマイナス。
ふくおかFGは、地方経済を担う九州№1の金融機関として、九州の企業により喜ばれる銀行になって欲しいものである。
[ 2009年12月 8日 ]
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