アイコン 再々編必至の九州各行の中間決算⑧/県・市町村を麻薬漬け

国では財政超赤字を引き継いだ民主党新政権により、これまで積もり積もった垢と歪んだ常識を洗い落とす作業を続けている。

しかし地方公共団体は、厳しい財政下、努力はしているものの殆どがこれまでのしがらみの中にある。財政赤字から地方公共団体は、これまでに本体組織そのものはスリム化させてきたが、肝心の自ら作った第3セクターや補助事業は今だ幅を効かし、使途不明や入札さえも行われず、今日でも天下りの報酬のために存続させているような組織が数多くある。

そうした地方の財政問題を大きくしているのが金融機関である。金融機関はこれまで地方公共団体の不足金を資金面で支え、地方の累積赤字を拡大させた元凶である。自浄能力を欠落させている地方公共団体は、組織・第3セクターや補助事業に対して根本的な見直しもせず、累積赤字を拡大させているのが実態である。
地方公共団体に融資拡大をはかっているのは第一地銀(旧地銀)。県市町村の財政資金を管理し、窓口業務も行っている。こうした膨大な利権により融資も拡大させているのである。
 
ふくおかフィナンシャルグループは、地方公共団体に対して3行で1兆円を超える融資9,068億53百万円(09/9月末残)の融資しかないことからしてもその突出振りが伺える。当然共に国債や地方債などの購入債権は別途計上である。を行っている。ここ1年間でも3,161億円も増加させているのである。日本最大のメガバンクである三菱UFJ-FGでさえ
地方公共団体に対する融資は、金融法の基準外債権(リスク債権に該当せず、国内基準の自己資本率を押し上げる)でもあり、与信管理上の問題もなく? 稼ぐにも打って付けであろうが、自浄能力を欠落させた地方公共団体に対しての貸付は麻薬そのものである。 
特に福岡銀行は、1年間で2,535億円も貸付を増加させており、同じ手法の親和銀行(612億円増)とともに地方公共団体にアヘンをバラ撒いているようなものである。
大分銀行に至っては、地方公共団体向けの貸付比率が総融資残の22.55%と驚異的数値。ここまできたら何も言うこともない。
サラ金と一緒でいずれ破綻自治体が続出することになろう。
 

恐るべき地方公共団体への融資残推移
 
 
 
 
銀行名/百万円
09/9
09/3
08/9
09/9
08/9
09/9国内融資総残
公共団体への比率
ふくおかFG
1,024,199
894,408
708,047
316,152
8,228,210
12.45%
   福岡銀行
815,383
717,674
561,862
253,521
6,199,068
13.15%
  親和銀行
174,238
143,762
112,989
61,249
1,178,241
14.79%
  熊本ファミリー
34,578
32,972
33,196
1,382
850,901
4.06%
西日本シティ銀行
252,320
233,479
205,328
46,992
4,871,119
5.18%
筑邦銀行
12,835
20,555
11,622
1,213
382,095
3.36%
福岡中央銀行
8,723
11,472
15,374
-6,651
324,130
2.69%
佐賀銀行
115,729
121,593
102,586
13,143
1,195,373
9.68%
十八銀行
164,746
195,642
146,755
17,991
1,269,620
12.98%
肥後銀行
276,669
274,386
270,932
5,737
2,259,730
12.24%
大分銀行
286,309
283,991
260,308
26,001
1,269,620
22.55%
豊和銀行
38,996
39,233
37,226
1,770
332,304
11.74%
宮崎銀行
183,764
198,833
187,943
-4,179
1,157,375
15.88%
宮崎太陽銀行
38,147
32,032
33,241
4,906
392,468
9.72%
鹿児島銀行
359,070
356,576
353,130
5,940
2,065,208
17.39%
南日本銀行
13,352
12,385
12,742
610
497,164
2.69%
琉球銀行
115,966
113,344
105,264
10,702
1,191,618
9.73%
沖縄銀行
103,721
102,174
88,821
14,900
1,136,172
9.13%
合  計
2,994,546
2,890,103
2,539,319
455,227
26,572,206
11.27%

[ 2009年12月 3日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
この記事を見た人は以下も見ています(メガバンク、)
スポンサードリンク
スポンサードリンク