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⑦の続き、建築基準去令違反について
(2)木造部分の壁量について
① 本件建物が、国土交通省告示第1541号(平成13年10月15日)の規定する必要な壁量の不足があることは認める。この点につき、被告設計デザイン事務所には、同告示の見落としがあった。

②前項の告示違反を解消するには、本件建物の車庫入口部分に幅1メートルの耐力壁を設置する(具体的な設置箇所は、別紙の補修箇所図面のとおりである)ことで充分であり、この方法により、同告示が規定する本件建物に必要な壁量を充たすことができる。
③この点、原告は、本件建物全体の構造計算(再計算)を行い、これに基づき構造耐力が確認できるようにすることを前提とした補修方法(木質ラーメンフレームによる補強)が相当であると主張している(甲4号証18貢以下)。確かに、上記の告示(第1項)では、「構造耐力上主要な部分である壁に、枠組壁工法により設けられるものを用いる場合における技術的基準に適合する当該壁の構造方法は、次の各号に定めるところによる。」とされ、同項12号では、「耐力壁線に設ける開口部の幅は4m以下とし、かつ、その幅の合計は当該耐力壁線の長さの3/4以下としなければならない。」と定めるものの、同告示の第3項は、必ずしも第1項を充たさない場合であっても、「構造計算によって構造耐力上主要な部分である壁及び床版に枠組壁工法により設けられるものを用いた建築物又は建築物の構造部分については、次の各号に掲げるところによる。」と規定し、構造計算によって構造耐力が確保できる限り、必ずしも同告示に規定する壁量を充たさなくてもよいとされている。
④しかしながら、上記の告示は、必ずしも同告示に規定する壁量を充たさない場合でも、構造計算により構造耐力上の安全性が確保できればよいと規定しているものの、他方、同告示に違反して必要な壁量が不足している場合において、構造計算によって構造耐力上の安全性が確保できていることが確認できなければ、同告示に対する違反が是正されたことにならないとは規定していない。従って、原告が主張するような、構造計算(再計算)を行って、これに基づく構造耐力上の安全性の確保が確認できるような補修方法でなければ相当な補修方法ではない、とは断言できない。すなわち、現時点において同告示が規定する壁量を充たしていなくとも、必要な壁量を充たすような補修方法を採用することにより、同告示に対する違反状態は解消されることになるのである。
⑤ 要するに、上記の告示を含む建築基準法令は、建物の構造耐力上の安全性について、構造計算による安全性の確認を要求しているわけではなく、各種の建築基準法令に規定された技術基準を充たしていれば、必ずしも構造計算によることなく、建物に構造耐力上の安全性が存在するものと擬制する建前となっている。従って、同告示が必要と定める壁量が充たされていれば、必ずしも構造計算によらなければ本件建物の構造耐力上の安全性が確認されないというわけではないのである。だとすれば、原告が構造計算の再計算に固執するのは、明らかな過剰要求であり、原告が主張している補修工事(甲4号証40頁以下の見積書を参照)が唯一の補修方法ではない
⑥そこで、被告設計デザイン事務所が主張する前記の補修方法(車庫入口部分に幅1メートルの耐力壁を設置する方法)に基づく壁量不足部分の補修工事費用、すなわち原告の損害額は、上記の外壁部分の準防火性能の欠陥を解消するための補修工事と一括して、×円である。


これについて、ブログで次のような投稿がなされている。
"同告示に対する違反が是正されたことにならないとは規定していない。"
告示は本来違反の是正方法を規定するものではないので、そう書いてないのはアタリマ 
エなんですけど(笑)。また、1Mの壁を立てればよいとするなら、何故、1Mの壁を最初から付けなかったのか? 設計上、施主の開口希望条件を満たせないからでしょう。仕様規定そのものを見落としていただけ・・・とでも言い出しかねませんね(爆)。違反になるなら1Mの壁をつければよい・・・まるで後だしジャンケンみたい。

 

[ 2009年12月24日 ]
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