アイコン 【解説】ゲームソフト会社 シング㈱の破綻/福岡ゲームソフト業界に震撼 ?

アイラブゲームゲームソフト業界は、当たれば金塊を掘り当てる以上に儲かる世界で、超ビッグヒット作品のシリーズ物を有しているレベルファイブが福岡では長たるものであろう。

福岡のゲームソフト業界は、福岡市や業界各社が音頭を取り「福岡ゲーム産業振興機構」(通称GFF)という組織を作り、「福岡ゲーム都市宣言」を唱えている。GFFにはレベルファイブやサイバーコネクトツーなど13社が加盟。それに業界関係企業として5社ほど記載されている。
加盟社のなかでもレベルファイブは別格の存在。エニックスのドラゴンクエストシリーズの製作を担当、自社ブランドでもビッグヒットのレイトン教授シリーズを有しており、その勢いはサッカー場の冠名権取得に現れ、ゲームソフト「イナズマジャパン」を開花させている。福岡のゲームソフト業界の儲け頭であろう。
サイバーコネクトツーも「hack」シリーズや「NARUTO」シリーズを持ち業界の強豪でもある。
老舗ではシステムソフト(アルファー)も加盟しており、ビッグヒット作品には恵まれず往年の勢いはないものの、これまでのゲームソフト開発本数は日本一とも云われている(同社はアパマンの孫会社にあたる)。
そうしたゲームソフト開発企業群を人材面でフォローアップしていくことや業界振興を目的にGFFは設立されている。

そうしたなか、カプコンのPS2用「玻璃ノ薔薇(ガラスのバラ)」、任天堂DS用「アナザーコード2つの記憶」などの開発に携わってきたシング㈱が、2月末事業を停止して自己破産した。
破綻原因は、開発投資に多額な資金が必要であり、期待した作品が不況も手伝い販売不振に陥り、累積赤字が1億50百万円を超え、資金繰りに行き詰ったものであった。

福岡市のGFF担当課も、シングの破綻について、業界振興にあたる立場として大変残念なことですとコメントしている。ところが、レベルファイブやサイバーコネクトツーは、弊社の問い合わせに対して「何も答えることはない」とコメント、トップからの強い指示が出されているようであった。こうした福岡のゲームソフト業界トップ企業の対応は、業界の閉鎖性を露にしたものにほかならないが、不況はゲームオタクといわれるゲームソフトの消費者側にも確実に押し寄せてきており、これまでのような驕り昂りは続かないものとなろう。また、こうした時期には思いも寄らなかったようなゲームソフトがヒットしだしたりするが、その波に乗れなかった場合、膨大な開発投資資金を要するため一夜にして経営は逆転することもある世界である。以前から取材拒否される社もあり、福岡のゲームソフト業界もレベルファイブやサイバーコネクトツー等一部の企業には謙虚さが求められる。奢れる者久しからず。


 

[ 2010年3月12日 ]
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