アイコン 福岡銀行と福岡ひびき信金の合併の可能性は? 新北九州銀行構想

福岡銀行の谷頭取は、山口銀行の北九州銀行設立の打ち上げ花火に完全に出し抜かれた。それまでにも福岡銀行は、100万都市北九州市に対して、営業の特殊部隊を送り込むなどして強化してきた。
一方、福岡ひびき信金は、何回も信金同士の合併を繰り返して今日がある。信用金庫の寄せ集め集団でもあり、上層部の色々な思惑もある。両者を結びつけるのは、銀行システムを共同利用しているところにあるが、福銀・広銀・ひびきの3者が共同利用している。ともすれば合併の噂も出てくるが、そうした動きは福銀が願ってもひびき信金は応えないと思われる。

福岡ひびき信金の事情もある。同信金は地元北九州市では最大の金融機関であり、これまで、北九州市にいろいろあった信金を、合併を繰り返し、すべて統一した。また2年前、福岡支店を開設したが、域外では始めての支店であり、今後の展開を考えた場合、普銀転換も大きな選択肢となる。
そこで浮上するのが、山銀の北九州銀行に対抗して、新北九州銀行を作る構想である。新たに作るのではなく、福岡ひびき信金を普銀転換させたら簡単。その舞台裏で動くの
が福岡ひびき信金とコミュニケーションを持つ福銀ということは当然である。福銀は新北九州銀行と業務提携して、時間をかけて傘下にすればよい。地方にあって金融機関が多過ぎるという金融庁の思惑もあり、その時、福銀は合併の受け皿になればよい。
福銀は北九州市の公金の取り扱いを既に行っており(みずほと交代交代)、支店も30店舗あまり張り巡らせており、合併のメリットは少ない。ところが、福銀は谷頭取の性格から、公金取り扱いも山銀の北九州銀行が動いてくれば危いものになる可能性を秘めており、何らかの対策を練らざるを得ない。
福銀は親和銀行を傘下に納めるに当り、日銀や金融庁に対して大きな「貸し」を作っている。福岡ひびき信金の普銀化に福銀が動けばその可能性は濃いものとなろう。

 また、新銀行設立には地理的なものも関係してくる。北九州銀行は、山銀の小倉支店を本店にするようだが小倉北区、福岡ひびき信金の本店は八幡東区尾倉2丁目に所在する。相当距離も離れ、元々八幡製鉄所(現、新日鐵)を中心に栄えた工業都市の八幡にある。広域の北九州市にあり、そうした経済圏の違いも普銀転換しやすいものと思われる。

福岡ひびき信金の図体が、第1地銀の筑邦銀行より、第2地銀の福岡中央銀行や豊和銀行、佐賀共栄銀行よりデカイということも事実で、普銀転換もやりやすい存在である。

山銀に先を越され、福銀の谷頭取が、黒田城の天守閣(大手門本部)から福岡ひびき信金に対して、いつ動きだすのか注目される。(既にジャブは放たれているはず)

過去、福銀が営業の特殊部隊を北九州市に大量に送り込んだ時、福岡ひびき信金も遠賀信金も幹部が、福銀のなりふりかまわぬやり方に怒り狂っていたこともある。あくまで幹部たちであり経営者ではない。信金も銀行も監督官庁は金融庁。
山銀と福銀の策士同士の戦いは、これから本番を迎えてくる。 

 
 
2010/3
連結/百万円
総資産
純資産
福岡ひびき信金
649,083
36,351
筑邦銀行
606,547
28,031
豊和銀行
471,221
16,256
福岡中央銀行
445,542
18,738
佐賀共栄銀行
228,252
8,105

以上の結果、福岡ひびき信金が、福銀を黒子にして普銀転換し、新北九州銀行となる構想が現実的と思われる。
※ 山口銀行の本店は、県庁所在地の山口市ではなく、北九州市の隣町の下関市に所在する。
 

[ 2010年7月28日 ]
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