アイコン 都心型地域スーパーの時代は終焉か マルゴ破綻

スーパーマルゴスーパーストアー「マルゴ」は1984年スーパー東岩槻店(川口市)を皮切りとした食鮮スーパー。生鮮食料品を中心に、加工食品、冷凍食品、酒類、生活雑貨などを扱い、埼玉県の川口市やさいたま市などに店舗展開、2006年には千葉県野田市にも進出、計13店舗で運営されていた。精肉や鮮魚はテナント入居型のスーパー。

同スーパーは、これまで特売日を儲け、チラシのほか、ネットチラシも活用するなど工夫を凝らし低価格路線で競合する他社との差別化を図ってきた。ところが、近隣に大手スーパーの出店が相次ぎ出店してきて競争激化、客足に大きな影響を受けた。それに加え、サブプライムローン問題、リーマンショックによる経済不安から消費不況に苛まれ、売上高は不振に陥った。低価格路線を取ってきていたことから、売上高が減じることは即経営に波及、その後も売上不振が続き、億単位の赤字に陥り、先行きの見通しも立たず、今回の事態となった。それまで80億円を超えていた売上高も最近は60億円台まで落ちていた。
都心部は、以前は八百屋や魚屋、肉屋など都心の至る所にありマーケットもあった。その後地域スーパーが台頭、マーケットは再開発され大型ビルに変身した。ところが、都心型の地域スーパーも、郊外型や都心型の大型店の進出で客足を奪われ、その数は減少の一途。その代りコンビニは確かに増加しているが、スーパーの役目を果たすものではなく、都心に住む人たちの買い物は、以前に比べ不便になってきているのが実情である。歩いてできた買物が自転車になり、今では車になっている。生活スタイルや生活様式が変わったといわれればそれまでだが、生活者にとって都心は意外と住みにくくなっている。
今後は、大型店どうしの戦いが熾烈化し共倒れしていく、そうなれば小型地域スーパーの生きる場が、また提供される時代が来ることも考えられる。それを狙ったのがローソンか? 

佐世保市の事例:佐世保市郊外にイオンが大型店進出を計画した。ところが、佐世保市議会は進出反対を表明、進出場所も決定していたイオンの進出を喰い止めた。佐世保市は駅そばに長いアーケード街があり、同市のシンボル的な存在である。その裏側の通りに基地の外人さんも来る飲屋街がある。そのアーケード街がシャッター通りになった場合、佐世保市街は完全に精彩を失う街になる。確かに大型ショッピングセンターが来れば、市民にとっては便利であり、流行も即伝わる。しかし「あったら便利だけ」では時代の流れに都市は埋没してしまう。佐世保市には、HISの澤田会長がハウステンボスに単独乗り込み再建に向け必死である。こうした人に市民は感化され、佐世保市は蘇るものと思われる。
 

[ 2010年8月19日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
この記事を見た人は以下も見ています(解説、)
スポンサードリンク