九電/仏のウラン濃縮新工場へ資本参画
玄海原子力発電所で国内初のプルサーマル商業発電を行っている九電は、ウラン燃料の安定調達に向けた取組みの一環として、アレバNC社(フランス)の新規ウラン濃縮工場(ジョルジュベスII)プロジェクトに参画する。
東北電力および既に参画している関西電力、双日と共同でフランスに設立したジャパン・フランス・エンリッチメント・インベスティング社を設立して、2010年中にSETホールディング社発行済株式の1%(日本側4社合計で4.5%)をアレバNC社から取得する。
ジョルジュベスIIは、2010年中の竣工を目指し2006年から建設が進められており、2016年のフル生産時には濃縮ウランの生産容量を7,500トンSWUに拡張する計画。これは世界の濃縮ウラン需要の約13%に相当すると想定されている。
本プロジェクトへの参画は、九電にとって初めての海外でのウラン濃縮事業への参画であり、ウラン濃縮工場運営への直接関与や、原子燃料サイクル全般に事業展開するアレバNC社との関係強化により、当社のウラン燃料長期安定調達に資するものと考えている。
世界的な原子力発電の拡大に伴うウラン燃料の需要増大が見込まれるなか、本プロジェクトへの参画や、既に参画しているカザフスタン共和国におけるウラン鉱山プロジェクト等により、今後とも将来にわたるウラン燃料の安定調達に努めていくとしている。
日本原燃の濃縮ウラン工場は当てにならず、フランスの会社にも直接資本参加した方が、賢明であるという結論に達したのであろう。
九電は、使用済みウラン燃料をフランスと英国のウラン再処理施設に再処理依頼して、そうした再処理燃料MOX燃料をプルサーマル発電として稼動させている。
日本原燃六ヶ所ウラン濃縮工場:原子力発電所の燃料である濃縮ウランのほとんどは、これまでアメリカ、フランスに依存していた。原子力発電によるエネルギーの供給安定性の確保は、将来のわが国のエネルギーセキュリティ上最重要課題として位置づけられる。
そのためには、国内において自立的な原子燃料サイクルを確立しなければならない。つまり、日本独自にウラン濃縮技術を確立する必要がある。濃縮技術の情報は、核拡散防止の観点から国際的に機密情報として取り扱われ、技術開発は各国独自で行わなければならないからである。そして、商用プラントとして濃縮ウランの国内供給を実現したのが、六ヶ所ウラン濃縮工場である。・・・という官僚的な日本原燃の説明があるが、グローバル化した世界にあり、確立した技術や工場は別にして、膨大な国家予算を今後ともつぎ込む必要性があるのか検討する必要がある。
Societe D'Enrichissement Du Tricastin 社(SET社)
フランス ドローム県ピエールラット市
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