アイコン 悲願の日本一 イオンがマルナカ買収 セブン決算推移付

 イオンはマルナカグループ(マルナカ+山陽マルナカ、非上場)を買収すると発表した。
マルナカグループは、中国・四国エリアを中心に211店舗を展開して3,294億円の売上高を計上するスーパーマーケット。
イオンは、同地区ではこれまで、マックスバリュ西日本を165店舗(2011/2期売上高:2,444億36百万円)展開して、ライバル関係にあった。

イオンは今回のマルナカ買収につき、次のように発表している。
イオンとマルナカグループは、マルナカグループの創業50周年を機に、相互の歴史や築き上げてきた基盤を尊重しつつ協業を進めていくことが、両社の長期的な安定成長のみならず、何よりもお客さまの満足、地域社会活性化への貢献に繋がる最も有効な方策であるとの判断から、2010年8月11日に三菱商事株式会社との4社による包括業務提携契約を締結した。

包括業務提携契約締結後、提携推進委員会を設置し具体的な取組み事項を検討してきた。その結果、全国各エリアで地域密着の経営を推進する当社と創業50周年を迎え世代交代を図り新しい成長を目指すマルナカグループの想いが一致し、イオンは、マルナカの創業家中山明憲氏及びその親族との間で、中山明憲氏が代表取締役社長であるマルナカHDがイオン株式を間接的に保有し、かつイオンがマルナカグループを子会社とする資本提携(以下「本資本提携」といいます。)を行うことについて合意に至り、2011年9月29日付で、本資本提携に関する「株式譲渡等に関する契約書」を締結した。

本資本提携の目的は、世代交代を図ったマルナカグループが持つ高いブランド力の継承と次なる成長をイオンが支援すると共に、マルナカグループの地域に密着した経営ノウハウをイオンに取り入れることで、両社の企業価値向上に繋げていくとしている。

中内ダイエーなき後、セブン&アイHと熾烈な流通政争を繰り広げるイオングループ。イオンはダイエーやマイカルなど買収を続け、セブン&アイを追いつき追い越そうとするものの、なかなか追いつけなかった。

 

しかし、今回マルナカGを買収することで、悲願の売上高日本一となる。

足元では、世相を反映して大黒屋物産(岡山)やトライアル(福岡)・ルミエール(福岡)などディスカウントストアが台頭して急成長させており、流通業界は難しい時代に入ってきている。

セブン&アイHとの比較では、同社はセブンイレブンや収益頭になりつつある銀行を持ち、営業利益率4.75%を上げている。一方、イオンは今回のマルナカ買収でも3.24%にとどまる。また、有利子負債も前期数値で、セブン&アイHの7,209億円に対して、イオンは1兆1,526億円あり、マルナカの買収等で今期末は更に1,300億円増加する予定である。イオンは、有利子負債もさることながら、営業利益率の改善が求められよう。

イオンは、店舗展開につき、集中出店型を採用して、強力に推進している。しかし、大型店舗のイオンモールやショッピングセンターの近隣にマックスバリュを展開しているものの、その多くが近接過ぎ、大丈夫かと懸念されてならない。また、そうしたマックスバリュ店舗は、地元スーパーや商店街とタタキ合いの様相となっており、その結果、地域を独占したとしても地域を疲弊させてしまったら、商売そのものが成立しなくなる恐れもある。
セブン&アイHもしたたかで、岡山県倉敷駅北口のチボリ公園跡地に三井アウトレット施設と共にイトーヨーカドー(テナント100店舗)を11月オープンさせる。中国地方では3店舗目となる。
 

イオン+マルナカ+山陽マルナカ(単純合計)
連結/百万円
2009年期
2010年期
2011年期
売上高
5,554,550
5,382,876
5,426,067
営業利益
135,596
138,212
176,194
経常利益
137,721
138,403
190,571
当期利益
2,888
34,091
62,229
総資産
3,942,505
3,990,376
3,989,330
純資産
897,352
919,645
969,060
純資産率
22.8%
23.0%
24.3%

純資産値は、イオンは自己資本数値を適用
 

イオン
連結/百万円
2009年2月期
2010年2月期
2011年2月期
売上高
5,230,786
5,054,394
5,096,569
営業利益
124,373
130,193
172,360
経常利益
126,030
130,198
182,080
当期利益
-2,760
31,123
59,688
総資産
3,741,447
3,785,288
3,774,628
自己資本
821,079
840,534
887,372
有利子負債
1,194,611
1,246,294
1,152,623
自己資本率
21.9%
22.2%
23.5%

 
マルナカ+山陽マルナカ(単純合計)
連結/百万円
2009年3月期
2010年3月期
2011年3月期
売上高
323,764
328,482
329,498
営業利益
11,223
8,019
3,834
経常利益
11,691
8,205
8,491
当期利益
5,648
2,968
2,541
総資産
201,058
205,088
214,702
純資産
76,273
79,111
81,688
純資産率
37.9%
38.6%
38.0%
 
セブン&アイホールディングス
決算期
2009年2月期
2010年2月期
2011年2月期
売上高
5,649,948
5,111,297
5,119,739
営業利益
281,865
226,666
243,346
経常利益
279,306
226,950
242,907
当期利益
92,336
44,875
111,961
総資産
3,727,060
3,673,605
3,732,111
自己資本
1,785,189
1,721,968
1,702,515
有利子負債
793,865
701,486
720,992
自己資本率
47.90%
46.90%
45.60%
[ 2011年10月 6日 ]
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