新日鐵　孫会社の「日鉄トピーブリッジ（株）」を解散さす　　住金付き

新日鐵の子会社新日鉄エンジニアリングは、平成２２年４月にトピー工業と合弁で作った日鉄トピーブリッジ（株）を解散することを決定した。なお、橋梁事業については、橋梁製品を除き撤退する。

詳細は次の通り、

平成24年1月27日

新日鉄エンジニアリング株式会社

橋梁事業(橋梁商品*事業を除く)からの撤退と日鉄トピーブリッジ株式会社の解散について

　当社は、本日の取締役会において、橋梁商品*事業を除く橋梁事業から撤退すること及びそれに伴い、当社の連結子会社である日鉄トピーブリッジ株式会社(以下、「日鉄トピーブリッジ」)に関し、既受注工事完工後(平成28年3月を目途)に解散することを決議した。

　　なお、現在、日鉄トピーブリッジが事業活動をおこなっております、橋梁商品事業、スタッド事業につきましては、当社において事業活動を継続いたします。

また、当社及び日鉄トピーブリッジが事業活動をおこなっております、海洋鋼構造物事業につきましては、今後成長が期待できる海洋・資源開発分野を中心に、当社において事業活動を継続いたします。

　* 商品名:角太橋、H-BB、パネルブリッジ、グレーティング、NSカバープレート

1.背景・経緯

　　橋梁事業を主たる事業としている日鉄トピーブリッジは、低迷するマーケット、激しい競争環境が継続していることを背景に、平成22年4月の会社発足以来、厳しい経営状態にあり、今後とも収益の目標レベルの達成目途がたたず、同社の経営目標の実現が困難な状況にあります。

　一方で、当社は平成23年7月に策定した「2015年戦略目標」において、海外市場における積極的な事業展開、新商品開発、新事業領域への進出等の経営目標を掲げ、市場の変化への対応を進めてきております。

　　以上の状況を踏まえ、当社グループとして経営効率向上の観点から、経営資源を今後成長が期待できる事業分野に投入すべく、橋梁事業から撤退することとし、それに伴い日鉄トピーブリッジを解散することといたしました。

2.会社解散の方法

　　本日以降、橋梁商品事業を除く橋梁事業に関する新規の営業活動を停止し、既に受注している工事がすべて完工する予定の平成28年3月を目途に、会社を解散いたします。

3.日鉄トピーブリッジの概要

本社所在地：愛知県豊橋市明海町1番地

代表者：代表取締役社長吉武考三郎

設立年月：平成22年4月1日（作ったばかり）

資本金：450百万円

事業内容：鋼製橋梁の製作・架設事業、橋梁商品事業、スタッド事業、海洋鋼構造物(防波堤・さん橋等)製作事業

株　　主：新日鉄エンジニアリング株式会社65％、トピー工業株式会社35％

4.今後の予定

　平成24年1月27日橋梁事業に関する新規の営業活動停止(橋梁商品事業を除く)

　平成28年3月を目途に、会社解散予定

5.当社の業績への影響

　上記措置に伴い、平成24年3月期決算において、事業整理損失として特別損失を見込んでいます。

トピー工業の株主は、新日鉄が20.01％の筆頭株主であり新日鉄系。

新日鉄は、住友金属工業との統合を本年10月に控え子会社・孫会社の整理をしているのであろう。　

＜新日鐵の３月期第３四半期の状況＞

　新日本製鉄は１月５日、保有している株式の価格が下がって損が出たため、２０１１年４～１２月期連結決算で、８４６億円の特別損失を出すと発表した。

株をお互いに持ち合う住友金属工業の株式の評価額が、昨年１２月末で帳簿価格の半分以下に落ちたことが大きい。

　　新日鉄は、１２年３月期（通期）の純損益の予想を８５０億円の黒字と見込んでいるが、今回の特別損失はほぼ同規模になる。通期の業績への影響は２７日に発表する予定。

　　新日鉄は、住金の株式を約４億５千万株持ち、全体の９．４％を占める大株主になっている。

さらに両社は、今年１０月に経営統合を予定している。欧州の政府債務（借金）危機の影響で日経平均株価が下がるなど株式相場が低迷し、住金の株価も大きく値下がりした。

＜住友金属工業の過去5年間の株価推移＞

新日鐵の業績推移
連結／百万円	2009年3月期	2010年3月期	2011年3月期	2012年3月期予
売上高	4,769,821	3,487,714	4,109,774	4,050,000
営業利益	342,930	32,005	165,605	70,000
経常利益	336,140	11,833	226,335	120,000
当期利益	155,077	-11,529	93,199	0
・今期予想は1月27日発表分であり、持株評価損を織り込んでいる。