危機に瀕する宮崎交通 更なる選択と集中が必要では・・・
2005年1月産業再生法による再建が決定した宮崎交通が、再度危機に瀕している。同社は設備更新などの投資に必要な15億円の出資を、支援企業に求めたが拒絶された。
宮崎県は、2007年1月の東国原知事誕生から、全国に注目される県となり、観光客も増加の一途たどった。しかし、昨年3月発生した牛豚の口蹄疫感染により宮崎県はパニック状態に陥った。夏に終息したが約27万頭が殺処分された。宮崎県の広告塔であった東国原知事も任期満了で本年1月退任、全国からの注目度は口蹄疫問題もあり、一気に薄れてしまった。そうした中、本年1月には新燃岳が爆発、霧島の温泉地帯への観光客は激減、口蹄疫問題や新燃岳爆発の煽りを受け、宮崎交通の業績も苦しいものとなっている。
宮崎交通は、設備投資などの資金調達のため県内外の支援企業に計15億円程度の出資を打診し、断られ断念していたことが12月6日判明した。
宮交側は資金をバス更新などに充てる計画だったが、スポンサー側は成長戦略の不透明さなどを理由に再出資に難色を示した。グループは、営業力強化やコスト削減などで収益力を高める構えだが・・・。
グループの計画では、2011年3月期末で自己資本比率6・99%にとどまる過小資本解消による財務内容強化を目的に、支援企業17社に対する第三者割当増資を実施予定であった。
調達した資金は、本年度から3ヶ年のグループ改善計画に基づき、バス事業や観光関連事業などへの投資に充てる予定だった。
ところで同社(連結)の業績は、次の通り下記の再生計画の予定を大幅に下回っている。未達原因は、いろいろなことが上げられようが、株式会社の経営は、数値のみの非常の世界である。
宮崎県は、広告塔の東国原氏を失い、世の中の景気も悪いままである。こうした中でも同社は、最低でも予定決算数値を計上する宿命を帯びている。
今回の出資拒否は、その結果に対する経営批判の現れでもあり、会社側に対して、更なる業績向上を求め、それが無理なら、更なるリストラを要求しているものである。
同社は、赤字事業と赤字会社を今も抱えており、最後の選択と集中が求められているといえよう。
連結/百万円 | 平成24年3月期 | 平成23年3月期 | ||
通期見込み | 実 績 | 前年比較 | 前年比(%) | |
営業収入 | 16529 | 16626 | △97 | -0.6 |
営業経費 | 16156 | 16054 | 102 | 0.6 |
営業利益 | 373 | 572 | △199 | -34.8 |
経常損益 | -232 | 13 | △245 | - |
当期純損益 | -183 | -151 | △32 | - |
連結 | 平成16年3月期 | 平成20年3月期 |
売上高 | 25,660百万円 | 21,013百万円 |
営業利益 | 1,974百万円 | 1,390百万円 |
連結 | 平成16年3月期 |
売上高 | 25,933百万円 |
営業利益 | 1,819 百万円 |
経常利益 | 216 百万円 |
当期純利益 | ▲179 百万円 |
借入金総額 | 52,310百万円 |

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