アイコン パナソニック王国  衰退の原因と分析 固執したプラズマ

日本製造業の代表ともいえるパナソニックが今、空前の危機に陥っている。2011 年度に7721億円の赤字を計上したのに続き、今年度の赤字も▲7650億円に達する見込みだ(ちなみに、日本の製造業最大の赤字は日立製作所が2008 年度に計上した7873億円)。パナソニックは2年連続で7000億円を超える巨額の赤字を計上した。これは日本の製造業の歴史においてないことだ。

パ ナソニックは普通の企業ではない。長期にわたり日本経済の成長をけん引してきた原動力であり、「メイド・イン・ジャパン」の誇りと見られてきた。それが今 日のような立場に追いやられるなど、誰が予想しただろうか。しかし起こった事には全て原因がある。詳しく分析すればパナソニックが衰退した必然的な原因を 見出すことができる。

まず第一に、「三種の神器」の失速だ。パナソニックはこれまで「三種の神器」、すなわち「テレビ、冷蔵庫、洗濯機の3業務を柱に家電王国の地位を固めてきた。しかしここ数年は、画期的な新製品が出ておらず、失速感が否めない。営業利益率を見ても全盛期の5%以下に落ち込んでいる。特にテレビは挽回のすべもない状態だ。
 
パナソニックのテレビは、世界市場で相次いで敗北を喫している。日本国内市場でも絶えず規模が縮小しており、2012年度の販売台数は全盛期より30%以上少ない1300万台となった。しかも競争が激しいため、価格は大きく低下している。パナソニックのテレビ業務は5年連続の赤字となっており、もはや目玉商品ではなくなった。
 
第二に、投資で失敗が続いた。パナソニックは2012年に最終黒字を見込んでいたが、今のところその希望は叶っていない
三洋電機の子会社化により、パナソニックは5000 億円の損失を被った。また、4000億円を投じ、兵庫県尼崎市でプラズマディスプレイ工場を3ヶ所建設。これらの工場は2005年、2007年、2009 年に相次いで操業開始し、毎月194万台を生産したが、昨年秋には2工場の生産停止が決まった。プラズマテレビは液晶テレビと比べ、技術的メリットがな かったためだ。2008年にはパイオニアと日立がプラズマテレビ用のパネル生産から撤退していたが、唯一パナソニックのみが投資を続け、深みにはまった。
 
将来性のあるスマートフォン分野も同様だ。パナソニックは2011 年にスマートフォンで欧州に進出し、2015年度には海外市場でのスマートフォン販売台数を900万台とする計画だった。しかし、パナソニックの携帯は現 地の通信業者および消費者のニーズに合わず、今年撤退を余儀なくされた。これにより同社は1000億円の損失を被った。
 
このように、起死回生を狙った大規模な投資が相次いで失敗に終わり、見返りが無かったばかりかむしろ巨額の損失をもたらした。これはパナソニックにとって大打撃となったが、政策決定層の重大なミスと言わざるを得ない。
 
第 三に、パナソニックの経営モデルに変革の必要が生じた。「水道哲学(安価な商品を大量に供給する)」を提唱し、実践するパナソニックは、例え商品開発で遅 れをとっても、生産力と販売力さえあればトップになれると考えてきた。数で相手を圧倒することが同社の必勝パターンだった。しかし、企業がグローバル化す る今、技術で世界をリードできなければ、すぐに市場から追い出されてしまう。このことについては、パナソニックの津賀一宏社長も「我々は価値観を変えなく てはならない」と強調している。
しかし、「安く、大量に」を目指す「水道哲学」から脱却した後、パナソニックはどこへ向かうのだろうか?日本の電機メーカーがほぼ総崩れ状態となった今日、パナソニックは活路を見出すことができるのだろうか?
 
以上、中国人民網の解説記事である。下手な日本のジャーナリストより的確にパナソニックの衰退原因を分析している。先の見えない、先を見ない経営者は、完全に市場がグローバル化している今の時代では、企業にとって癌の病に陥る。その見本企業がパナソニックのようである。
 
奢れる者久しいからず。嘘吐き民主党を演出した松下政経塾一派であるが、社会ニーズ・国民ニーズに合わないプロの政治家を養成する松下政経塾(大きな意味でのマインドコントロール集団)の存在自体も一考する必要に迫られている。
 
パナソニックの業績推移と予想
連結/百万円
売上高
税引前利益
当期純利益
 
H17/3
7,479,744
170,822
42,145
 
H17/3
8,713,636
246,913
58,481
 
H18/3
8,894,329
371,312
154,410
 
H19/3
9,108,170
439,144
217,185
 
H20/3
9,068,928
434,993
281,877
 
H21/3
7,765,507
-382,634
-378,961
リーマン・ショック決算
H22/3
7,417,980
-29,315
-103,465
 
H23/3
8,692,672
178,807
74,107
 
H24/3
7,846,216
-812,844
-772,172
 
H25/3予
7,300,000
-365,000
-765,000
 
 
[ 2012年11月27日 ]
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