アイコン 断層上の敦賀原発の日本原子力発電(株)は潰れるか 総負債は6,900億円あり

敦賀原発敦賀原発(福井県)の直下にある断層(破砕帯)が活断層である疑いが強まったことで、日本原子力発電(原電)は今後、敦賀原発の廃炉を迫られる可能性が高い。

原電は、日本唯一の原発専業事業者であり、保有する原発3基のうち2基が廃炉となれば経営に甚大な影響を及ぼす。出資する電力各社のなかには債務を保証している会社もあり、打撃を受けるのは必至。
 
原 電は東電・関電などの電力9社と電源開発などが出資する電気製造卸業者で、敦賀原発1、2号機と東海第2原発(茨城県)で発電した電気を東北、東京、中 部、北陸、関西の5電力に卸売りしている。東日本大震災後の原発停止で、平成24年3月期決算は12年ぶりの▲135億01百万円の最終赤字に陥った。
設備の防災対策を進めるため今年4月に、日本政策投資銀行やみずほコーポレート銀行などから計1,040億円を借り入れており、経営難に陥った東京電力を除き、卸売りを受ける4電力(東北、中部、北陸、関西)が債務保証している。
 
保有原発のうち、東海第2は東海村の村上達也村長が、廃炉を求めるなど地元の反発が激しく、再稼働の見通しは立たない。
敦賀1、2号機の廃炉が決まれば、実質的に動かせる原発が「ゼロ」になる。電力会社が保有原発の廃炉を決めれば、それまで資産だった原発や核燃料は一転して価値がなくなり、資産の目減り分を損失として処理する必要がある。
 
経済産業省の試算では、原電が今年度中に全3基を廃炉にした場合、資産の目減りや廃炉費用で▲2,559億円の損失が出る。平成24年3月期の純資産1,626億円を差し引いても、933億円の債務超過となる。
そうなれば金融機関から新たな借り入れができなくなり、経営破綻が現実味を帯びる。
平成24年3月期の総資産は8,551億25百万円、総負債額は6,924億79百万円、純資産は1,626億46百万円。出資金だけでも1,200億円あり、東電が出資した分だけでも338億円にのぼり、潰れた場合は東電が関係社株式(投資)という資産勘定から除外することになる。関電ほかも然りだ。
 
原発廃止の場合の影響は、原電だけにとどまらず、債務保証している電力会社は、1040億円につき、債務の肩代わりを余儀なくされる。電力大手幹部は「考えたくないシナリオだが、発電再開の見通しが立たなくなれば、原電の存廃を話し合わざるを得なくなるだろう」と述べ、規制委の判断を注視している。以上産経新聞などを参照した。
 
敦賀原発1号機は既に42年を経過しており、規制委が運転再開を許可しないと思われ、廃止されよう。東海原発も地元反対では動かしようがないだろう。しかし、東海原発は、暫くすれば、地元住民のほとぼりも冷め、電力会社ご用達の福島県知事のような傀儡村長が出現し、ゴーサインがかかることになるかもしれない。
(安倍さんが活断層の定義さえ御用学者を並べ立て自己流に変える可能性が高い。・・・最近の政権は何でもあり。)
 もしも同社が潰れた場合、出資金1200億円の殆ど(電力会社の出資分)と4月借り入れた1,040億円の債務保証分が今後、国民や企業が支払う電力料金の負担となる。
 
<会社概要>
日本原子力発電(株)概要
会社名
日本原子力発電株式会社
本社所在地
東京都千代田区神田美土代町1番地1
設立年月日
1957年11月1日
代表者名
濱田 康男(元、関西電力副社長)
資本金
1,200億円
発電設備
3基 261万7,000キロワット
売上高(電気事業営業収益)
1,452億76百万円(2011年度)
総資産
8,551億25百万円
従業員数
1,388
原発
 
 東海第2原子力発電所
1978年11月運転開始(34年経過)
 敦賀原子力発電所1号機
1970年3月運転開始(42年経過)
 敦賀原子力発電所2号機
1987年2月運転開始(25年経過)
 
<株主構成:平成24年3月末時点>
日本原燃の株主構成
株 主 名
 持株数/千株
持株比率%
東京電力(株)
3,387
28.23
関西電力(株)
2,225
18.54
中部電力(株)
1,814
15.12
北陸電力(株)
1,566
13.05
東北電力(株)
734
6.12
電源開発(株)
645
5.37
九州電力(株)
179
1.49
中国電力(株)
151
1.25
(株) 日立製作所
110
0.92
みずほコーポレート銀行
85
0.71
三菱重工業(株)
76
0.64
北海道電力(株)
76
0.63
四国電力(株)
74
0.61
 
<日本原子力発電の平成24年3月期の貸借対照表>
 日本原子力発電の要約貸借対照表 2012年3月期  単位:百万円
固定資産
796,016
固定負債
562,654
 電気事業固定資産
198,849
 社債
40,000
 (原子力発電所設備)
193517
 長期借入金
40,790
 固定資産仮勘定
211,046
 使用済燃料再処理等引当金
206,963
 核燃料
172,060
 使用済燃料再処理等準備引当金
10,331
 投資その他
214,060
 災害損失引当金
6,154
 (使用済燃料処理等積立金)
84,968
 資産除去債務
207,144
 
 
 
 
流動資産
59,109
流動負債
129,825
 現預金
6,183
 短期借入金
6,500
 売掛金
11,216
 CP
25,000
 短期投資
15,852
 関係会社短期債務
19,198
 
 
 未払費用+未払金
39,176
 
 
 災害損失引当金
5,543
 
 
 
 
 
 
負債計
692,479
 
 
 資本金
120,000
 
 
 利益剰余金
42,663
 
 
純資産
162,646
総資産
855,125
負債計+純資産
855,125
・ 同社は、当決算後の4月1,040億円を借り入れている。原発だけで稼ぐ電力製造会社の原発が全部ストップしていることから収入がなく、1,388名もいる従業員の給与や役員報酬及び膨大な設備維持費がそのまま費用となり、今期は更に途方もない大きな赤字になる。平成24年3月期の赤字は▲135億01百万円であった。
[ 2012年12月11日 ]
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