アイコン アップル/製造拠点を中国から一部米国に移す方針決定

アップルは、これまで中国が中心だった製造拠点の一部をアメリカに戻す方針を明らかにした。
アップルのティム・クックCEO=最高経営責任者が、6日のアメリカNBCテレビの番組と、6日付けの雑誌「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」とのインタビューで明らかにした。
この中で、クックCEOは「アメリカでさらに多くのことができないか何年も考えてきた。来年、一部の生産をアメリカに移すつもりだ」と述べ、これまで中国が中心だった製造拠点のうち、パソコンの組み立てラインの一部をアメリカに戻す考えを明らかにした。

アップルは、1990年代の後半から製造拠点をアメリカから生産コストが安い中国などに移しており、スマートフォンやタブレット端末などの主力製品には「アメリカのカリフォルニア州でデザインされ中国で組み立てられた」と記されている。

アップルは、アメリカで製品の開発や販売に関わる多くの雇用を生み出していると主張してきたが、海外に雇用が流出しアメリカ経済の空洞化を招いたという指摘も出ていた。
今回、アップルが製造拠点の一部をアメリカに戻す方針を決めたことで、アメリカの雇用回復につながるのではないかという期待が高まっている。
こうした動きに打撃を受けるのは、生産拠点の中国であり、また生産委託されている台湾の鴻海である。シャープとの関係が微妙な鴻海であり、自社では重要なパテントは持っておらず、今回のアップルのこうした動きにシャープへの大接近の最後のチャンスになるかと思われる。

アップル製品は、鴻海の中国工場(雇用数80万人)で生産されているが、過酷労働・低賃金・自殺者多発・若年雇用者・不衛生な寮環境など、是正するように指摘されている。しかし、こうした労働者環境のすべてを改善するには、多額のコストアップに繋がるため、遅々として進めていないのが現状だ。そのため、米国に一部でも生産拠点を戻すことで、その鉾先をそらすことができるとしているのかもしれない。
中国の賃金アップがこれ以上進めば(賃金格差がはなはだしく、賃金上昇圧力は常にある)、アップルにしても、米国以外にもメキシコで生産することも考えられる。
こうして、中国から、いろんな大手進出企業が抜け出し始めている。下手したら、垂れ流した内需拡大策の反動によるバブルの本崩壊が始まる可能性すらある。
 

[ 2012年12月 7日 ]
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