アイコン 韓国 ウォン高進む 内需拡大の好機

日本の自民党圧勝を受け17日、ソウル外国為替市場はウォン高が進んだ。ウォン・ドルの為替レートではウォンが今年最高値をつけた。
 自民党の安倍晋三総裁は大胆な金融緩和を宣言している。このため自民党の地滑り的勝利を受け、円で買ったドルを売ってウォンを買う「円ショート(売り)クロス取り引き」が増えた。
ウォンの対ドルレートは17日、前営業日より2.10ウォン高・ドル安の1ドル=1072.50ウォンとなった。昨年9月7日の1ドル=1071.80ウォン以来のウォン高・ドル安となった。
 ウォン・円レート(午後3時40分現在)も前営業日比11.33ウォン高・円安の100円=1275.43ウォンを記録した。
以上、聯合ニュースが伝えている。

韓国は、ウォン安政策で急成長したサムスンと現代自動車の両財閥でもっていると揶揄されるほど両財閥は輸出で好景気であるが、国内景気は悪化している。中国不動産バブルと連動した形で韓国の不動産バブルも崩壊して、内需が急速に減速している。
世界的に競争力を有する両財閥企業が稼ぎ出す外資が積み上がっているため、ハゲタカの鉾先が韓国へ向かい、ハゲタカがウォン買いに走り、急激にウォン高に至っている。
11月は外需も内需もウォン高のメリットを受け、製品価格が大幅に下がり、内外需とも好調であるとの記事が掲載されていたが、今後輸出企業はウォン高により、世界的な価格競争に巻き込まれ、これまでのような利益は難しくなる。特に品質面でも急成長している中国との戦いになる。

一方、内需は、輸入価格が安くなることから、国内の不況対策には好機である。韓国の次期政権が外需に力を入れるのか(ウォン安政策)、内需に力を注ぐのか(ウォン高容認)によって、為替政策は異なってくるが、韓国はまだ、日本のように超低金利ではないため金利政策にも余裕があり、内需拡大策には選択肢がいくつもある。
しかし、国内景気が不景気のなか、ウォン高に進むとは、突如円高に向かったままだった先般までの日本のようでもあり、長引くおそれもある。韓国がドル買い介入にしても、相手が欧米や中国のハゲタカであり限界があろう。

<韓国経済の現状>リーマン・ショック同様な悪化
韓国の大韓商工会議所が17日に発表した来年1月の製造業の景況判断指数(BSI)見通しは今年10~12月期に比べ5ポイント下落した69となった。
調査は同商議所が国内の製造業2500社を対象に実施した。
 BSIは100を上回ると、景気が回復するとみる企業が悪化するとみる企業より多いことを意味し、100未満はその逆。
同商議所は「BSIが70を割り込むことはあまりない。1998年のアジア通貨危機、2008年の世界金融危機の際と同じ水準」と分析している。

<ウォン高:左は対円、右は対ドル/過去1年間の推移>
<ウォン高:左は対円、右は対ドル/過去1年間の推移>

[ 2012年12月18日 ]
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