＜各地で地盤隆起＞
地盤の隆起が見つかったのは、関東の西側と甲信越、青森県北部及び北海道南部。国土地理院の解析によると、隆起が見つかった付近では、地震の直後地盤が東へ引き延ばされたあと、ゆっくりと隆起、この２年間で最大５センチに上っているという。地下深くにある比較的柔らかい岩石が巨大地震で引き延ばされて密度が下がったため、それを補うように岩石が下から入り込んで僅かに隆起していることが考えられるとしている。

国土地理院では、これほど広範囲にわたる隆起は過去に観測された例のない規模だとしていて、地盤の隆起が続くと、地表に近い活断層などがずれ動いて地震が起きやすくなると分析。先月２５日に栃木県北部で震度５強の地震が起きたのも、地盤の隆起の影響が考えられ、今後、数年から１０年以上影響が続くと考えられるので、あらかじめ防災対策をするなど、引き続き内陸地震にも注意が必要だとしている。

＜大陸プレートせめぎ合い＞
糸魚川静岡構造線を境に西日本が乗っているのがアムールプレート、北日本が乗ったオホーツクプレート、東北沖の日本海溝までの東側のアメリカプレート、駿河湾辺りからの南海がフィリピンプレートといくつものプレートが日本でせめぎあい、東日本大地震は、北日本が乗った陸側のオホーツクプレートに、海側のアメリカプレートが沈み込み、その境目が大きく東向きにずれ動いたことで発生したとされる。（アメリカプレートは毎年２センチ東へ移動している）
その蓄積された大きなエネルギーの歪修正が巨大地震であり、その余震＝影響連鎖した地震が、陸側のオホーツクプレートとアムールプレートがぶつかる糸魚川静岡構造線の北日本側で発生している。

国土地理院によると、巨大地震の直後、宮城県北東部にある牡鹿半島が東へ５．３メートル、東京都港区が東へ２７センチ移動するなど、東北や関東を中心に地盤が大きく移動している。

地盤の移動は、東北地方の太平洋側を中心に今も続いていて、この２年間で、宮城県の牡鹿半島は更に７４センチ東へ移動している。これは、巨大地震のあと、陸側のプレートが海側のプレートの上に乗り上がるような、東向きの移動を続いているためと考えられている。

一方、関東の西側や甲信越、青森県北部、それに北海道南部では、地震の直後地盤が東へ移動したあとにゆっくりと隆起しています。隆起が確認された地域やその付近では、先月２５日に栃木県日光市で震度５強の揺れを観測する地震があったほか、巨大地震直後には糸魚川静岡構造線北側の長野県栄村や静岡県富士宮市で震度６強の大きな地震＝余震が発生している。

＜今後の地震の危険性＞「三浦半島断層群」箱根山の群発地震
また、政府の地震調査委員会が、巨大地震のあとに地震が起きる危険性が高くなっていると発表した神奈川県の「三浦半島断層群」、東京と埼玉県にまたがる「立川断層帯」、「糸魚川・静岡構造線断層帯」のうち、長野県の「牛伏寺断層」も、隆起した範囲に入っている。
国土地理院は、糸魚川・静岡構造線断層帯や立川断層付近でも地盤の変動が今も続いている。震源から離れた地域でも、地震には注意が必要だとしている。
（参考：ＮＨＫなど多数）