アイコン 5月の貿易赤字最大規模の9,939億円

財務省が19日発表した5月の日本の貿易収支は、中国や韓国からのスマートフォンの輸入が増加したこと や、東電原発爆発による原発停止で、原油や液化天然ガスの輸入が多く、さらに円安で円換算の輸入額が増加して、9939億円を超える赤字となり赤字の規模 は5月として最大となった。
輸出額は、5兆7676億円と前年同月比10.1%増加した。これは、中国や韓国向けのペットボトルやプラスチックの原料となる化学製品の輸出額が増えたことなどによるもの。

輸入額は、6兆7616億円と前年同月比10%増加した。主な要因としては、中国や韓国からのスマートフォンの輸入が大幅に増加したことに加えて、このところ外国為替市場で円安が続いたことで主にドル建てで輸入される原油やLNG=液化天然ガスの金額が膨らんだことなどによるもの。

この結果、輸出から輸入を差し引いた5月の日本の貿易収支は、9939億円の赤字と11ヶ月連続の赤字で、赤字の規模としては統計が比較できる昭和54年以来、5月として最大となった。
財務省は「円安の影響で輸入額が膨らんでいるものの、品目によっては輸出の数量でも伸び始めており今後の動向に注目したい」としている。

気になるのは、輸出の数量指数がマイナスであること。製造業の輸出は、円安効果で額は多くなっているものの、既に競争力を失くしてしまった家電や半導体の輸出が振るわず、また、主力の製造工場の多くが海外移転してしまっているためであろう。これでは、設備投資して雇用の増大をはかろうにも、至難の技である。

2013年5月の貿易収支
輸  出(金額)
5兆7,676億円
10.1%
3ヶ月連続の増加
数量指数
88.3
▲ 4.8%
12ヶ月連続の減少
輸  入(金額)
6兆7,616億円
10.0%
7ヶ月連続の増加
数量指数
105.2
▲ 2.4%
2ヶ月ぶりの減少
差  引
▲9,939億円
9.5%
11ヶ月連続の赤字
 
貿易の推移(対世界)  (単位:百万円)
年・月
収支
2012年5月
▲ 907,931
2012年6月
56,081
2012年7月
▲ 528,550
2012年8月
▲ 768,436
2012年9月
▲ 568,194
2012年10月
▲ 556,195
2012年11月
▲ 957,040
2012年12月
▲ 645,748
2013年1月
▲ 1,633,542
2013年2月
▲ 781,345
2013年3月
▲ 366,944
2013年4月
▲ 881,908
5月(P=速報値)
▲ 993,916
 
対中国との貿易 5月
輸出
1兆0,465億円
8.30%
2ヶ月連続の増加
輸入
1兆4,564億円
14.60%
過去最大の輸入額
 
▲4,100億円
34.50%
15ヶ月連続の赤字
 
[ 2013年6月19日 ]
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