アイコン 世界第4位の英製薬グラクソ・スミスクライン/中国 贈収賄で値上げ GSK

中国の公安部は11日、湖南省長沙市、上海市、河南省鄭州市などの公 安機関を統一的に組織して、英国の製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK、世界第4位、2011年12月売上高:27,387 M/ P=約4兆1千億円)の中国法人・葛蘭素史克(中国)投資有限公司の上級管理職の一部が重大な経済犯罪を犯した疑いがあるとして、法律に基づき立件に向け た調査を行ったことを明らかにしたと中国新京報が伝えている。

同部によると、同公司は大手の多国籍製薬企業であり、ここ数年間の中国での経営期間中、製品の販売ルートを開拓し、販売価格を引き上げることを目的として、旅行会社などのルートを通じ、直接的な賄賂やプロジェクト協賛などのさまざまな形式で、政府関連部門の担当者、一部の医薬品の業界団体や基金会、病院、医師などに大規模な贈賄を行ったという。
また、同公司には増値税(付加価値税)専用の虚偽の伝票を使用した、旅行会社を通じて偽の伝票を発行した、虚偽の普通伝票を発行して現金を詐取したといった犯罪行為があったという。

中国公安部(公安省)は、このほど、湖南省長沙市、上海市、河南省鄭州市などの警察機関を指揮し、英製薬大手のグラクソ・スミスクライン(中国)投資有限公司の4人の役員(趙虹燕、梁宏、黄紅、張国維)が深刻な経済犯罪を犯したとして、法に基づき調査を開始した。4人の役員は刑事強制措置を受けたと人民網が伝えている。

グラクソ・スミスクライン(GSK)の公式サイトで16日、声明文を発表した。
同声明文は、「企業内の一部社員と第3者機関が、詐欺と非道徳的行為により非難を浴びていることについて、深い懸念と失望の意を表明する。中国政府の汚職根絶の決心を支持し、発生した件についてお詫びを表明する。当社は政府の関連部門の最新状況に対する調査に全力で協力し、調査によって導き出された結論に基づき、すべての必要な行動をとる」とした。

 GSKの声明文の全文は下記の通り。
 中国政府が実施中の調査に関する当社の声明文
 当社の一部社員と第3者機関が、詐欺と非道徳的行為により非難を浴びていることについて、深い懸念と失望の意を表明する。上述した行為は当社のグローバル社内規程、管理フロー、価値観、基準に著しく違反するものだ。当社がこのような行為を見逃し、容認することは絶対にない。
 当社は、中国政府の汚職根絶の決心を支持する。上述した調査によって明らかになった問題は恥ずべきことであり、当社は発生した件についてお詫びを表明する。
 当社は、政府の関連部門の最新状況に対する調査に全力で協力し、調査によって導き出された結論に基づき、すべての必要な行動をとる。
 同時に、当社は一連の緊急措置を講じている。当社はすべての第3者代理機関との提携を見直しており、本調査で明らかになった旅行会社のサービス利用を直ちに停止した。またすべての旅行会社と関連する過去の提携に関する記録を全面的に検査する。当社はさらに、中国法人の規定に合った業務フローを精査する。
 当社は中国の法律・法規を重視しており、すべての従業員にその厳守を求める。
 当社は中国政府の医療改革を全力で支援し、関連部門と提携し、中国の患者により良い治療を提供するため努力する。と発表した。

同社は、中国に対しこれまでに5億ドル以上の投資を行っている。

<粉ミルク 反トラスト法>
中国が2013年7月、欧米からの輸入粉ミルクが高いとして、反トラスト法の調査を打ち出したが、フランスのダノンやスイスのネスレはすぐさま大幅値下げしていた。世界大手5社がターゲットになっている。

<日本では・・・>
日本でも2013年7月11日、世界第2位のノバルティスが日本で、そこらへんの血圧降圧剤と同じ効能の「バルサルタン(ディオバン)」を、社員を大学医学部の講師に潜りこませ、賄賂まみれのご用臨床医師たちを利用して、虚偽の別の効能(脳卒中や狭心症を減らせる)を論文証明させていた。当効能を営業トークで大々的に使用、傘下のご用医師たちを使いシンポジゥムを全国各地で開催させ、ディオバンをPR、年間1,000億円の超大型商品に仕立て上げた事件が発覚している。
臨床試験を行った大学は、京都府立医科大学や東京慈恵会医科大学、滋賀医科大学、千葉大学、名古屋大学などのご用医師たち。
 

[ 2013年7月16日 ]
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