アイコン 通信販売(物販)の国内市場の調査/富士経済

2013年に小売拠点型通販、ネット通販、モバイル通販合計で市場の7割を占める見込む通信販売(物販)の国内市場を調査
 通信販売(物販)市場全体 7兆6,488億円(7.8%増)、ネット通販、モバイル通販が牽引。
アパレル通販 1兆7,001億円(10.8%増)、仮想ショッピングモール事業者の注力により市場拡大。

総合マーケティングビジネスの富士経済は、2013年9月~11月にかけて通信販売(物販)の国内市場を調査した。
  この調査では、通販(物販)市場について、「カタログ」「テレビ」「小売拠点型」「インターネット」「モバイル」「ラジオ」の通販形態別と、「食品・産直 品」「健康食品・医薬品」「ビューティ他」「生活雑貨」「アパレル」「家電製品・パソコン」「書籍・ソフト」「通信教育・講座」「その他(家具、インテリ ア、寝具など)」の商品カテゴリー別に分類し、各市場の現状を分析して今後を予測した。
加えて今年度版は、注目のインターネット通販、モバイル通販、小売拠点型通販を合算した市場の動向、会員属性(購入者)別の市場規模についても捉えた。

<調査結果の概要>

国内通信販売(物販)市場
2012年は7兆973億円、2013年は7兆6,488億円見込み
2013年の前年比は7.8%増加した。

 カタログ通販、テレビ通販、ラジオ通販において、注文手段がインターネットやモバイルである場合は、インターネット通販やモバイル通販に含んだ。また、モバイル通販は、携帯電話(フィーチャーフォン)向けサイトおよびスマートフォン向けサイトを対象とし、携帯電話やスマートフォンからのPC向けインターネットサイトの利用はインターネット通販に含んだ。

 2012年は、前年に震災の特需を受けた反動が一部でみられたほか、上位企業への需要集約により苦戦を強いられた下位企業があったものの、スマートフォンの普及拡大と参入企業の対応が進んだことでモバイル通販が大幅に伸長し、市場は前年比6.7%増の7兆973億円となった。
 
通販形態別では、モバイル通販の伸長が目立つほか、仮想ショッピングモールの充実によるインターネット通販の拡大が続いている。また、小売拠点型通販もネットスーパーの利用増加により二桁成長が続くとみられる。
一方、2004年まで市場の50%を占めていたカタログ通販は、参入企業のインターネット通販やモバイル通販へのシフトが進み、2012年の構成比は22%に縮小している。
 
商品カテゴリー別では、食品・産直品やアパレルが好調である。また、トイレットペーパーや洗剤など持ち運びが不便なトイレタリー用品を中心とした生活雑貨も拡大を続けている。
書籍・ソフトは、送料無料や配達時間の短縮などの利便性の向上により、店舗販売からの需要シフトが進んでいる。

1、注目市場
小売拠点型通販は、コンビニエンスストア拠点型とネットスーパーが対象。
実店舗との相互送客により利用者の獲得が進み市場は拡大している。注文商品や配送時期などの自由度の高さや、GMSやSMなど身近に店舗があることでの安心感が受け入れられ、今後も前年比10%前後の伸長が予測される。
これまでは、食品が中心であったが、GMSの本格参入で取り扱う商品カテゴリーが広がり、単価の高い商品カテゴリーが実績拡大に貢献すると考えられる。
今後は、サービスの認知度向上が優先課題であり、実店舗でのサービス告知や広告宣伝が必要である。
また、ホームページや携帯サイトを注文ツールとするため、現時点では中高年層の利用が少ないこともあり、ユーザビリティの向上も課題となっている。
 
インターネット通販は、インターネット上のホームページまたは、タブレット向けサイト/アプリがツールとなる通販が対象。
仮想ショッピングモールが中心となり、市場の50%以上を占めている。インターネット通販に抵抗がある50代以上の消費者が、タブレットを利用してインターネット通販を開始するケースもみられ、市場拡大に寄与している。
市場規模の拡大やモバイル通販の成長に伴い伸長率は緩やかになっているものの、カタログ/テレビ通販や店舗販売からの需要シフト、取扱商品の増加により、今後も拡大が予測される。

上位シェアの事業者サイトへの需要集約がみられるため、小規模の通販サイトはターゲットや主力となる商品カテゴリーを明確にして顧客を囲い込む必要がある。

モバイル通販は、参入各企業が通販サイトのスマートフォンへの最適化やショッピングアプリの配信を進め、ユーザビリティの向上や販促面でのテコ入れが集中して行われたことで、市場が拡大している。
特に、アパレル通販においては、10~20代やパソコンを利用しない主婦層を中心に好調で、2013年には市場の2割を占める見込み。
また、家電製品や書籍・ソフトもモバイル通販の比率が高くなっている。モバイルと親和性が高い商品カテゴリーが牽引し、今後も市場拡大が予測される。
 
インターネット通販、モバイル通販、小売拠点型通販の合計は、2013年には市場の7割を占めると見込まれる。

2.食品・産直品市場 【商品カテゴリー別】
 2012年8,150億円、 2013年は8,901億円見込 前年比9.2%増加

 東日本大震災の影響で、飲料をはじめとした食品が店頭で品薄状態になったため、これまで通販に抵抗があった消費者が利用を始めたことや、原発事故を受けてミネラルウォーターや西日本産の食品あるいは復興支援のために東日本産の食品を通販で購入する消費者もみられたことで、2011年に市場は大幅に拡大した。

2012年は、震災特需が収まり市場は落ち着きをみせたものの、仮想ショッピングモールが当日・翌日配送可能な体制作りやポイント還元率アップなどのサービスを充実させ実績を拡大、またネットスーパーがTV-CMの投下による認知度向上と共に配送エリアの拡大や配送頻度/取扱い品数の強化を進め会員数、売上高を大幅に伸長させたことで、市場は前年比10.2%増の8,150億円となった。

インターネット/モバイル通販及びネットスーパーの利便性向上に伴い、日常利用の食品を通販で購入するスタイルが20~40代で増加している。
一方、カタログ通販は高年層において底堅い需要がみられるなど、食品・産直品においては、ターゲット層や利用目的によって通販形態の棲み分けが進むと考えられる。

3.アパレル市場 【商品カテゴリー別】
 2012年は1兆5,345億円、 2013年は1兆7,001億円見込 前年比10.8%増加

スマートフォンの普及拡大に伴い、ファッションEC企業やアパレルメーカーでは、通販サイトのスマートフォンへの最適化を進めるほか、ショッピングアプリなどを配布することで、移動時間帯にもスマートフォンで通販を利用できる体制を整え、需要拡大につなげている。

2012年から2013年にかけては、仮想ショッピングモール事業者がアパレル強化に努めており、市場は二桁成長を続け、2013年の市場は前年比10.8%増の1兆7,001億円となる見込み。
アウターウェアを通販で購入することに抵抗がない消費者の増加、インナーウェアの通販購入の一般化と買い替え需要の発生が今後の市場拡大に貢献するとみられる。
服飾雑貨については、高価格帯の宝飾品が伸び悩んでいるものの、事業者によっては靴を送料・返品送料無料とする施策を講じている。靴の通販での購入が一般化することで服飾雑貨の市場が活性化し、アパレル通販市場全体を底上げすると期待される。
以上。

今や直売ナンバー1通販となっているアマゾンは公表していないため、上記報告内容から、除外されていると思われる。ただ、アマゾンの日本での2012年の売上高は78億ドル(約8100億円/104円換算)と発表している。
楽天の総取扱高は、2013年9月までの過去1年間では1兆6千億円を超えている。
 

[ 2014年1月23日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
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