アイコン 忍び寄る中国不良債権問題 影の銀行(シャドーバンキング)破綻への序曲か

中国銀行業監督管理委員会(銀監会)によると、2013年12月末時点の銀行の不良債権比率は1%となり、9月末時点の0.97%から上昇し、2011年末以来2年ぶりの高水準となった。
不良債権の総額は5921億元(977億ドル、9兆9千億円)で、9月末から285億元増加した。自己資本比率は12.19%。9月末時点の12.18%からやや上昇した。

銀行関係者やアナリストらは、不良債権が今年さらに増加すると見込んでいる。
格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のシニアディレクターは13日発表のリポートで、「中国の銀行融資の質は2014年に著しく悪化する」との見通しを示した。「銀行は、地方政府傘下の金融会社のリスクに晒されたままで、製造業は余剰生産能力を抱えている」と指摘している。

多くのアナリストは、中国の実際の不良債権比率が公式の数字を上回っているとみている。

<デフォルト>
実態が見えにくいことから懸念が広がっている中国の「影の銀行(シャドーバンキング)」問題に絡み、中国の国営メディアは12日、負債を抱えた石炭会社、山西聯盛能源への融資を裏付けとした高利回り投資商品の返済が滞った、と伝えた。
この商品は吉林省信託が組成したもので、中国建設銀行(CCB)を通じて富裕層の顧客から2億8900万元(4770万ドル/48億円)の資金が集められた。

上海証券報がこの信託商品の投資家の話として報じたところによると、償還日は2月7日だったが、資金がいつ返済されるかめどが立たないという吉林省信託からの通達をCCBが伝えてきたという。

償還期日が過ぎており、テクニカル・デフォルトとなっているものの、吉林省信託は投資家の資金を取り戻すために努力しているもようだ。

同紙によると、匿名の吉林省信託関係者は「われわれが知る限り、当社の資産に問題はない。当社は投資家と交渉中だ」と述べた。
ロイターは今のところ、吉林省信託からコメントを得られていない。

問題の商品は「松花江(77)号山西福裕能源項目収益権集合資金信託計画」の第4トランシェ。2012年2月に投資家から2億8900万元を集め、年率9.8%のリターンを約束していた。
同紙によると、2011年終盤にローンチされた第1─3トランシェ(計4億7400万元)も昨年終盤に期日を迎えたが、予定通りには償還されなかった。第5─6トランシェ(計2億0900万元)は今後数週間以内に償還を迎えるという。

返済の遅れによるテクニカル・デフォルトはこれまでにも発生しているが、市場関係者は、投資家が損失を強いられる前例となるデフォルトを影の銀行セクターが待っている状態だと指摘している。
こうしたデフォルトが実際に発生すれば、高利回り商品でも国有銀行の暗黙の保証があるという、一般に広まった考え方が覆されることになる。ただ、吉林省信託は依然として投資家への返済方法を模索しているとみられる。

中国の影の銀行部門をめぐっては先月、今回と同様に山西省の石炭会社向け融資を裏付けとする投資商品のデフォルトが懸念される事態となったものの、匿名の投資家が裏付け資産を購入したため、投資家が損失を回避できたという経緯がある。
以上、ロイター参照

影の銀行(シャドーバンキング)の融資残高は、400兆円から600兆円あるとされているが、中国政府もどこの調査機関も実際の残高を推定でさえ把握していない。
資金源は、個人投資家、機関投資家、企業、銀行含む金融機関、外資、貿易輸出に擬した海外からの資金調達も駆使して調達されている。もちろん高利。政府の金融管理外。当資金が、中国で上がり続ける不動産バブルを演出し、中央政府も退治できない根本原因となっている。

[ 2014年2月14日 ]
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