アイコン 続、ベトナム沖240キロ(西沙諸島)に掘削リグ設置 やりたい放題

中国の掘削リグ設置海域は、ベトナム側が「完全にベトナムの排他的経済水域(EEZ)と大陸棚に属する」としているのに対し、中国側は「中国の領土から17海里(31キロ/ 1.852k)の接続水域だ」と主張している。
中国の論法は、ベトナム戦争時、中国がベトナム領の西沙諸島を軍事的に略奪して軍事基地を造って支配している。その略奪した島々から31キロというわけだ。
(詳 細は、フランスがベトナムや西沙諸島(パラセル諸島)を1954年まで支配していたが、フランスはインドシナ戦争によりベトナム独立軍に負けベトナムから 逃走、ジュネーブ条約でベトナムは南北に分かれた。ベトナム戦争まで西沙諸島の東側を中国、西側を南ベトナムが支配していたが、ベトナム戦争当事、コソ泥 のように西沙諸島西側を中国が、少数の南ベトナム軍を追っ払い占領した経緯がある)

排他的経済水域(EEZ)とは、沿岸国は国連海洋法条約に基づいた国内法を制定することで自国の基線 (海)から200海里(約370キロ/1海里=1.852k)の範囲内の水産資源および鉱物資源などの非生物資源の探査と開発に関する権利を得られる。その代わりに、資源の管理や海洋汚染防止の義務を負うという国際法に基づくもの。

ベトナムは2012年4月、排他的経済水域内の大陸棚で、ロシア国営ガス会社ガスプロムと石油採掘の契約を交わした。ほかに米エクソンモービル、カナダやインドの石油・ガス企業が共同開発を進めてきた。しかし、中国が、石油掘削会社を脅し、掘削会社はベトナムから撤退して行った。ベトナムは1988年から、ダナン沖の石油開発をオランダShellに委託して行っていたが有望な油田を見つけられず1996年撤退していた。
こうして以前からベトナムはベトナム沖で石油開発を行ってきたが、今では中国から脅され、海外の石油掘削会社が撤退して、石油開発が行えない状況に陥っている。

 今回の中国側の掘削リグ設置は8月15日まで続けられるといい、その間、試掘するのだろうが、ベトナムとの緊張状態は続く。中国軍部の強硬派のベトナムに対する強硬論も意識的に中国政府が露出させており、中国側は試掘で大量の石油が確認されればそのまま居座り、同海域にいくつも掘削リグを設置することになる。

越南 中国

アメリカはどう見ているのか、WSJは5月23日次のように掲載している。
 南シナ海に中国が石油掘削装置(オイルリグ)を設置したことで、領有権を主張するベトナムと中国が対立しているが、中国の行為は、西太平洋で積極的な進出を図ろうとする新たな戦略の1つだ。
中国はこの海域での支配力の誇示を狙っているだけでなく、領有権と国境を定める権利を主張したいと考えている。
それは中国が非軍事的な行動を通じて戦略的目標を達成することに寄与するだろう。
 中国は5月1日、ベトナムから150マイル(240キロ/1.6k)離れた海域にオイルリグ「海洋石油981」を設置した。

設置場所はベトナムの排他的経済水域(EEZ)内にあるが、中国が南シナ海のほとんど全域を囲むようにかってに引いた「九段線」の内側でもある。

中国は外国の石油関連企業に対し、ベトナム沖の掘削事業でベトナムと提携しないよう圧力をかけているため、ベトナムはとりわけ中国のこの動きに神経をとがらせている。
 ベトナムが中国側のオイルリグの設置を受けて20隻以上の艦船を派遣したところ、中国は80隻もの艦船で対抗した。ベトナムは中国船が同国の船に衝突行為を繰り返していると訴え、中国の艦船がベトナムの艦船に放水している様子をとらえた映像を公開した。
 東シナ海では日本と中国の間で似たような状況が起きている。日中両国の重複するEEZの中央線から西へ約30キロ離れた場所――日中両国が領有権を主張する尖閣諸島近く――の白樺ガス田付近に中国は掘削施設を建設中だ。日中は2008年に同ガス田の共同開発で合意したが、それ以来ほとんど進展していない。中国は海洋で新たに7つのガス田開発(総工費50億ドル=約5100億円)を計画しており、この施設もその一環だ。だがこうした事態により、中国は日本が領有権を主張する海域での掘削作業を単独で行う可能性が出てきた。
 中国が設置した掘削施設はアジアにおけるリスクの拡大を示す新たな、かつ重要な目安だ。アジア諸国は互いのEEZに関する交渉方法を見いだすにはほど遠く、ましてや各国間の協力や許容に基づく活動など望むべくもない。

強引な行動を起こす国は、"単に平和的に活動をしているだけで掘削作業や施設建設を妨害しようとする行為があれば危険にさらされた作業員を守らなければならない"と主張することができる。
 中国にはさらに多くのオイルリグを設置し、掘削場所を拡大する計画があるため、緊張が強まる可能性が高い。仮に中国がベトナムの反発を抑えることに成功すれば、領有権で対立する海域への積極的な進出を図る「ひな形」となるだろう。 

 中国の動きを阻止しようとすれば、偶発的な衝突を招きかねない。ベトナムが東南アジア諸国連合(ASEAN)の近隣諸国からほとんど支援を得られないのはおそらくこのためだ。
先週開催された年2回のASEAN会議では、中国を名指しで批判することは避けられた。その代わり、ASEAN諸国は南シナ海での行動規範の策定をあらためて確認した。これには中国は反対姿勢を貫いている。
 こうした背景からアジア諸国は自分たちの利害を守る一助とするため直接的なパートナーを探し求めている。
ベトナムの場合、中国に目を付けられた海域で合弁事業による開発を進めるため、ロシア、具体的には国営のガスプロムに近づくことを意味する。
ベトナムは中国がロシアとの対立を警戒することを期待している。また、中国の進出が強まりつつあるアジア地域での影響力を維持する手段として、ロシアがベトナムへのコミットメントを深めることも望んでいる。

だが(ロシアは米国などから経済制裁を受けるウクライナ問題を抱え)、ガスの供給でロシアと中国が今週合意したことは、中ロ関係が弱体化するより、強化される可能性が高いことを意味している。
 
これは米国にとっても問題だ。オバマ大統領が東アジア歴訪を終えた数週間後に発生した中国のオイルリグ問題は、中国政府が領有権の主張を緩める意思がないことを示している。
オバマ政権はアジアでのプレゼンスを緩やかに強化し、地域の同盟諸国との関係をより深化させる現在の計画に自信を持っているかもしれないが、こうした動きは中国の行動にほとんど影響を及ぼさないだろう。

 ホワイトハウスは当然のことながら、中国と他の国の対立に介入することに二の足を踏んでいる。アジアに重点を置いた米国のリバランス計画が地域のパワーバランス変化に対する強い対抗策であることを習近平国家主席が読み取ってくれることを米国は期待している。
しかし、中国側からすれば、米国は雲の上で遊んでいるようなものだ。下界の海上では中国が確実にその目的を達成しつつある。

 中国のオイルリグ戦略は、地上の現状を変えるための有効な策略の1つかもしれない。いつ、どこで行動を起こすかという選択肢をより多く中国に与えることになりかねない。現在よりもはるかに大きなリスクを受け入れることなしに、米国やその同盟国が短期的にこの予測を変えられるとは考えにくい。
 以上。

オバマの時と場合を理解できないへっぴり腰外交により、中国は第2次世界大戦前のような覇権主義国家を赤裸々にし、その軍事力を背景に実効支配を強行に推し進めている。
ブッシュ時代、新自由主義=ネオコンを台頭させ、中国の国営企業までも米国市場に上場させ、株式という信用が巨額の金に変わり、中国は潤い、その金で軍事力を強化させ、軍事力を背景に今、東シナ海や南シナ海へ打って出ている。

日本のバカ政治家どもは、2005年9月、中国が日中中間線の中国側約4キロに石油掘削リグ「白樺」を設置、大問題としたが無視された。当事、日中中間線側の日本側に日本が掘削リグを設置すべきだと吼えたが、バカどもに伝わることなく、今では中国は日中中間線沿いの中国側にいくつもリグを構えている。

尖閣問題後の2012年12月、中国は国連に対し、大陸棚は自国領だと主張し、沖縄トラフ(海溝)までを自国領だと申請した。また、その上に2013年11月防空識別権(軍事空域)まで設定した。
オバマは、防空識別権設定では、のこのこ中国へ行ったが、首脳会談であっさりその設定を認めてしまった。

その結果、本年4月24日中国の海洋調査船「科学号」が、久米島沖で海洋資源調査を行った。
日中中間線から大きく日本側に入った日本の排他的経済水域(EEZ)内である。その後も何回か続けている。

日本政府は、中国政府に対して、日本の排他的経済水域であり、調査を止めるよう申し入れたが、中国側はまったく聞く耳は持っておらず、無視している。

西沙諸島での中国掘削リグ設置での越中衝突、今度は、久米島沖に石油掘削リグが・・・
その矢先21日、久米島沖28キロ地点で大爆発があったが、米軍の訓練水域であり中国船とは関係ないようだ。

5月20日からは、黄海の日本側防空識別権内(同場所は識別権を日中韓の3国が設定している)で、中露海軍の合同軍事訓練が行われている。
オバマにキューバ危機のケネディを求めても所詮無駄だ。

[ 2014年5月24日 ]
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