アイコン 再度中越戦争の可能性 5月7日西沙諸島で軍事衝突  一方的な九段線

<前節>
ベトナムは2012年6月、自国領の大陸棚を9鉱区 に分け、石油掘削作業を行おうと技術を擁する米エクソンモービルやロシアのガスプロムを入札して指名した。こうした石油開発会社が実際掘削作業に入ろうと した段階の同年7月、中国がベトナム沖の大陸棚は中国領だと主張しはじめ、石油掘削会社に対し撤退を要求、こうした企業はそそくさと撤退して今日に至って いた。

中国政権は常に、短期決戦の軍事的勝利は国内不満解消の最良の手段だとして、軍事衝突を選択視の一つとしている。
ベトナム沖の西沙諸島は、ベトナム戦争当時、ベトナムが支配していたが、当時、中国が急襲してほとんどを占領し、中国領だとしている。

<今回の衝突>
7日、その中国が、南シナ海の西沙諸島近くで行っている石油掘削作業をめぐり、作業を阻止しようとする複数のベトナム艦船と中国船とが海上で衝突した。ベトナム当局者によると、ベトナム側の船員数人が負傷したという。
 南シナ海をめぐる両国の紛争では、過去数年で最も深刻であり、事態がエスカレートする懸念が高まっている。
 AP通信によると、ベトナムは、軍艦と武装した警備船など最大約30隻を現場海域に派遣。中国側が恒久的な石油掘削施設を現場に建設するのを阻止しようとしている。
ベトナム当局者によると、中国船がベトナム船に意図的に衝突、放水したとしている。

<中越関係と西沙諸島>
ベトナム戦争では、北ベトナムは、中国と旧ソ連から支援を受け、南ベトナムを支援する米国・韓国軍などと戦い米軍や韓国軍を破りベトナムを統一した。
そのベトナム戦争後の1979年2月、ベトナム軍が、クメール・ルージュのポルポト派が支配していたカンボジア(100万人超を虐殺したポルポト派を支援していた中国)へ侵攻した間隙を突き、中国はベトナムに対し懲罰的軍事行動として、ベトナムのハノイ近郊まで侵攻した。
これに対し、急遽ベトナム正規軍がカンボジアから引き返し、中国軍は敗退を続け1ヶ月足らずで撤退した。当時の戦争では1枚も2枚もベトナム軍が戦争に長けていた。中国と旧ソ連も領土紛争を抱え、当時犬猿の仲となっており、中越戦争ではベトナムに旧ソ連が付いていた。

ベトナム戦争当時、中国はベトナムが領有していた西沙諸島に侵攻して占領、これに対し、南ベトナム軍が米軍の支援を受け、西沙諸島へ侵攻して中国軍と衝突した。しかし、米軍からは艦船供与などの支援しかない南ベトナム軍は、中国軍に敗退し、事実上西沙諸島の多くを中国軍が実効支配し今日に至っている。
しかし、統一された現在のベトナムは、西沙諸島を自国領だとして、中国の実効支配を認めておらず、しかも、よりベトナムの陸地に近いベトナム沖の大陸棚でのベトナムの石油掘削事業に対して、中国側が力で開発を断念させたベトナム側の不満は限りなく増幅している。

オバマが、中国に対して、経済重視政策の下、限りなく譲歩した結果、そのツケが今日の東シナ海や南シナ海での、一方的な中国側の覇権主義に基づく領土領域拡大を招き、東アジアや東南アジアでの軍事衝突の危険性を生じさせている。
1譲歩すれば100でも1000でも譲歩を迫る5千年間そうした歴史で生き延びてきた中国である。

<九段線>世界の中心は中国にあり
中国当局が自国領だと主張している1950年代に一方的に作成した九段線、下記地図の緑の線内は中国領だと主張している。今では、近隣諸国の漁民や国家に対して、九段線内で漁を獲る場合、中国当局に対して許可申請するよう求めている。(当然、関係する諸国はカンカンである)
1、バシー海峡(台湾とフィリピンルソン島のバシー諸島との境界)以下時計回り。
2、北ルソン島トラフ
3、マニラ海溝
4、南沙群島とフィリピンの間
5、パラワントラフ
6、南沙群島とマレーシアの間
7、南沙群島とインドネシアナトゥナ諸島の間
8、南沙群島とベトナムの間
9、西沙群島とベトナムの間


越南

[ 2014年5月 8日 ]
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