アイコン TIZEN-OSの「サムスンZ」を第3四半期に販売開始へ

サムスン電子は2日、新しい基本ソフト(OS)「TIZEN(タイゼン)」を搭載した多機能携帯電話(スマートフォン)「サムスンZ」を第3四半期に発売する計画を、3日に開催されるサンフランシスコのタイゼン開発者会議で発表すると明らかにした。
「サムスンZ」は指紋認証センサーなどの機能を搭載し、4.8インチの高解像度(HD)ディスプレーを採用している。まずロシアで発売され、その後他国でも販売するという。

サムスンのモバイル端末の大半は、米グーグルのOSアンドロイドを搭載している。サムスンは独自OSタイゼンを開発することにより、グーグルへの依存低下を目指している。ただ、製品発表の遅れからタイゼンに対する期待は当初よりも低下している。

サムスンの幹部は4月、スマートフォン出荷の最大15%がタイゼン搭載製品にならなければ、成功したとは言えないとの見方を示している。
以上、ロイター

タイゼンはサムスンが開発しているものではなく、多くのIT企業が参画して開発しているLinux系のOS。
サムスンとアップルの大きな違いは、サムスンは単なるスマホのハードメーカーに過ぎず、アップルは、ハードメーカー(ファブレスメーカー)兼ソフトメーカーであることの大きな違いがある。
利益構造もアップルの場合、スマホ販売利益とアップストアからの利益が転がり込んでいる。一方、サムスンのスマホは、集積回路など自社開発品が大量に入り利益は大きいものの、ゲームソフトなどのアプリ販売利益は、OSにグーグルが無償提供しているアンドロイドを搭載しているため、その利益はグーグルストアにより、グーグルに持っていかれている。サムスンが多くの台数を売れば売るほど、グーグルには巨額な利益が転がり込んでくるというビジネスモデルだ。

サムスンもこれでは、いつまで経ってもハードメーカーとして開発し続けるジレンマと、飽和状態になりつつあるスマホ市場、見えてこないスマホの次の商品開発にあり、成長や利益の限界が見えてくるものとなっている。
そこで、サムスンはタイゼンOSを使用することにより、「サムスンストア」を開設する動きに出ているものと思われる。ただ、すでに市場はアップルとグーグルのストアに牛耳られており、スマホの付加価値技術もアップル・グーグル・サムスンに見られるように限界に来ている。
そうした中で、タイゼンのOSがアップル・グーグルのOSを画期的に超えることは考えられず、サムスンにあってはタイゼン製品が徒労に終わることもありうる。

「TIZEN(タイゼン)」
Tizen の開発体制は、大きく技術グループとビジネスグループの二つに分けられており、前者を Linux Foundation ならびに Tizen Project が、後者を Tizen Association が担当している。
Tizen Project は、Linux Foundation に所属し、Tizen の開発や公開、各種デバイスをサポートするワーキンググループの作成など、プロジェクトに関するすべての技術的課題に取り組んでいる。
2013年2月26日、ファーウェイ・テクノロジーズの TSG への参加が発表された。Tizen Association は、Tizen の産業的役割を主導するために組織された非営利コンソーシアムである。
Tizen やアプリケーションストアが備えるべき要求仕様を経営戦略的視点から集約し、技術グループへ伝達する。
また、産業パートナーシップの構築、サービスモデルの選定、全体的なマーケティングや教育などを行い、Tizen の市場展開に務めている。現在、Tizen Association の議長は NTTドコモ が務めている。
ファーウェイ、スプリント・ネクステルのほか、シャープ、パナソニック、NTTデータMSE、コナミ、Celsys、McAfee、イーベイ、トレンドマイクロなど新規36社によるパートナープログラムの開設。
2014年1月、NTTドコモは、アップルから圧力があったのか導入を予定していたTizen OS搭載スマートフォンの導入を、当面見送ると発表している。
NTTドコモは、初期段階のサムスンスマホの最大の販売功労者であるが、サムスンスマホは世界の巨人になり、今ではドコモはアップル製品も売り出し、距離を置いている。 
こうしたことから、ドコモが自社の莫大な広告費用を投じて「サムスンZ」を売る可能性は低い。ソニーのペータのようになる可能性もある。
 

[ 2014年6月 3日 ]
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