アイコン 富士産業の横浜・大分病院食中毒事件 錦糸卵が原因か 黄色ブドウ球菌 ワイエムフーズ製

新潟県阿賀野市の食品加工会社「ワイエムフーズ」が製造した冷凍の「錦糸たまご」(卵焼きを糸状にカットしたもの)から、食中毒を引き起こすことがある「黄色ブドウ球菌」が検出され、新潟県はこの業者に商品の回収を命じた。
横浜市と大分市の病院などで、この錦糸たまごを食べた111人が食中毒の症状を訴え、県が引き続き因果関係を調べている。
6月下旬から7月9日にかけて、横浜市と大分市の病院などで合わせて111人が下痢やおう吐などの症状を訴える集団食中毒が発生し、いずれの患者もこの会社が製造した錦糸たまごを食べていたことから新潟県の新発田保健所で調べていた。

その結果、錦糸たまごから食中毒を引き起こすことがある「黄色ブドウ球菌」が検出され、新潟県は16日、同時期にこの工場で作られ業務用として出荷された錦糸たまご840パックについて会社に回収を命じるとともに、食中毒との因果関係について引き続き調べている。
「ワイエムフーズ」は、「会社としても原因を調査し対策を講じたい」と話していて対象の商品については、すでに自主的に回収を始めているという。

<色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)とは>
ヒトや動物の皮膚、消化管(腸)常在菌(腸内細菌)であるブドウ球菌の一つ。
ヒトの膿瘍等の様々な表皮感染症や食中毒、また肺炎、髄膜炎、敗血症等致死的となるような感染症の起因菌でもある。学名はStaphylococcus aureus。

<食中毒>
黄色ブドウ球菌による食中毒は、食品中で増殖して、そこで黄色ブドウ球菌エンテロトキシン毒素を産生するために起きるものである。
この毒素は、耐熱性で、食品を加熱することによってブドウ球菌そのものが死滅しても、毒素は耐熱性のためそのまま残る。
それを食べた場合に、激しい嘔吐を伴う食中毒を引き起こす。このような食中毒を毒素型食中毒と呼ぶ。
一方、サルモネラや病原大腸菌などの場合は、生きた細菌が腸内に感染することによって起きる感染型食中毒を引き起こす。すなわちブドウ球菌による食中毒は感染症ではなく、むしろ毒キノコを食べるケースに近い。
黄色ブドウ球菌による食中毒は、潜伏期が短く、汚染された食品を食べたあと2〜3時間(エンテロトキシン濃度が高ければ数十分程度)で発症し、その後すみやかに終息する。しかし、症状が激しい場合には、ショック症状に陥る場合もあるため、健康に異常を感じた場合は、医療機関に受診するのが望まれる。
主に悪心と嘔吐が現れ、場合によっては腹痛や下痢を伴うこともある。黄色ブドウ球菌による食中毒は、症状が嘔吐に集中するのが特徴でもある。黄色ブドウ球菌自体が体内に入る感染症ではないため、抗菌薬の投与は不要であり、輸液により水分・糖・電解質を補充して症状の改善を待つ。
以上。

今では、事細かな各種食材が、それぞれの専門業者により製造され、給食業者等は、それを寄せ集め、加工したり、調理したり、そのまま出したりして給食として提供している。
病院食の場合、体が弱っている人たちが食するケースも多く、食中毒に対する安全面から、加熱処理した料理品が多い。
しかし、今回のように、熱処理しても毒素だけが残る黄色ブドウ球菌の場合、熱処理では、対応することもできない。防止するためには、製造メーカが、食中毒を引き起こす各種菌に対して、汚染防止策に依存するしかない。
意外と小さな会社が末端で製造しているケースも多い。夏場は特に食中毒が起こりやすい季節、より注意が必要だ。
富士産業は、全国の病院や老健施設に対して給食事業に従事しており、当然、大量に購入して、仕入単価を下げることは経営上、止む得ないことかもしれない。しかし、今回のような問題が発生した場合、全国へ問題が波及することになる。
冷凍錦糸卵を提供したワイエムフーズは、食材メーカとしては大きな会社であり、富士産業は安心して取引していたのだろうが、どこの会社の商材からもその危険性はある。

また、調理する病院等の調理施設であっても日ごろから、健康管理の徹底や施設に対して注意していなければ、どこで発生するしかわからない。
だが、全国に展開するその道のプロであり、食中毒を発生させることは許されるものではない。

株式会社ワイエムフーズ
所在地
新潟県阿賀野市京ヶ瀬工業団地内
代表者
代表取締役会長 若月俊一
代表取締役社長 若月哲朗
設立
昭和63年11月
資本金
8000万円
業種
鶏卵加工品の製造販売
営業所
仙台 / 前橋 / 東京 / 南関東 / 名古屋 / 東海
従業員数
社員100名、準社員213名(平成24年10月11日現在)
売上高
39億4100万円(平成24年)
 
[ 2014年7月17日 ]
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