アイコン Firefoxのモジラ/インドで3,400円(33ドル)スマホ販売へ

Firefoxのモジラがスマホ販売基本ソフト(OS)「Firefox(ファイアフォックス)」で知られる米非営利財団モジラファウンデーションが、インドで約33ドル(約3400円)の格安スマートフォン(スマホ)を投入する。
 モジラは26日、インドの携帯電話販売会社インテックス・テクノロジーズ・インディアと共同で、格安スマホ「インテックス・クラウドFX(Intex Cloud FX)」を発売すると発表した。
この端末にはファイアフォックスOSが搭載され、2つのSIM(シム)カードスロットを有するデュアルSIMに対応。プロセッサの処理速度は1ギガヘルツで、最大4ギガバイトまでメモリーを拡張できる。

モジラの格安スマホ「インテックス・クラウドFX」 Mozilla

 モジラは価格や機能などの理由から旧来型の携帯電話を買い換えていない、初めてスマホを購入する層をターゲットにしている。
 モジラ台湾のプロダクト・マーケティング部門のディレクター、ジェーン・スー氏は、ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、同財団がいかにしてスマホの価格引き下げに成功したかについて説明したほか、モジラの今後の計画について語った。

 インタビュー要旨は以下の通り。
――今回のスマホで、どのようにしてこれほどの低価格を実現できたのか。

 (ウェブ標準技術の)HTML5を使うことでOSを非常に軽くすることができ、メモリー消費も節約できた。このため、別のOSを使って同様のユーザーエクスペリエンス(体験)を実現するには、ハード面でのサポートを付け足す必要がある。スマホではOSがメモリー消費の大半を占めるため、スペック要件を下げることで端末価格を引き下げた。
 
私たちは中国の半導体メーカー、スプレッドドラムと直接取引をしている。新型スマホは中国で生産されるどの端末にも簡単に搭載できる。ただ、それは彼ら(端末メーカー)がどのようなカスタマイズを要求するかにかかっている。

――なぜインドでスマホ投入を狙ったのか。
 私たちは旧来型の携帯電話「フィーチャー・フォーン」利用者をターゲットにしている。インドの携帯ユーザーの70%以上が依然としてフィーチャー・フォーンを使っている。私たちはコストと利便性が(買い換えの)障壁になっていることを認識している。インドは最大規模の市場であり、ここで最初のスマホを投入したかった。

――モジラは以前、1台25ドルのスマホを投入する計画を明らかにしていた。やや高くなったのはなぜか。
 物流や出荷、税金などのコストが原因で、これらを考慮しなければならない。(最終的な投入)価格は私たちの事情で決まったものではない。
実際、私はメーカーが25ドルをはるかに下回る価格で端末を生産できると思っている。ただ、全ての投入コストや物流コストを含めなければならない。

――ファイアフォックスOSエコシステムの採用について最新情報はあるか。
 実際、長い時間がかかった。容量128メガバイトのRAM(ランダム・アクセス・メモリー)最適化で最高のユーザーエクスペリエンスが提供できることを確認するため、私たちは昨年末から数多くの研究開発を繰り返してきた。時間はかかったが、現在、私たちが提供できるエクスペリエンスを見つけ出せたことに満足している。
 ファイアフォックスのストアには5000種類以上のアプリがある。ただ、この(格安)スマホでは1000以上に限定される。

――収益モデルと業績目標は?
 モジラは非営利財団だ。確かに収入は必要だが、現時点ではデスクトップが収入源の大部分を占めている。私たちは多くの検索エンジンやサービスプロバイダーと協力し、彼らと収益を分配するモデルを採用している。
 目標は(スマホ)市場で1%のシェアを確保することで、出だしはこれで十分だろう。目標の達成期限は定めていない。

――ハイスペックのスマホを出す計画はあるか。
 現時点では格安端末に特化している。ただ、年を通じて製品ラインアップを拡大する計画だ。
以上、WSJ

 この価格でも、各部品メーカーは営利会社であり、利益を上げている。スマホの価格は、スマホを開発したアップルが、今でも高級機種をリードして価格設定力を有しているが、5千円~1万台ですでにいろいろなメーカーが販売しており、どこまで下がるかわからない。中国の小米科技は、アップルやサムスンの高級機種とほぼ同スペックのスマホを半額で販売し、大きく成長させている。同社はまた高機能スマホを1万円台から有している。
 サンスン帝国は、価格帯別の多品種を擁し、すでに価格競争に巻き込まれ、苦しい展開を強いられている。基本性能を備えた1万円以下の低価格スマホは中国だけではなく、各国メーカーがすでに製造販売している。
 今やブランド力だけで売れているアップル帝国のスマホは、こうした状況がいつまで続くかまったくわからない状況に至っている。

 

[ 2014年8月28日 ]
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