アイコン サムスンソウル病院に見る感染症者治療リスク

スポンサード リンク

韓国を代表する総合病院であるサムスンソウル病院は、MERSコロナウイルスの感染リスクを一度はクリアーしたものの、その不徹底や政府の感染情報の非開示から、その後、院内への感染を拡大させてしまった。
最初は、18日に救急患者としてほかの病院から受け入れた中東帰国者であった。MERS感染を疑い当局に通知するなど、病院としては感染拡大を食い止めてもいる。
しかし、2度目の患者は、リスク管理を素通り、結果、院内感染へ広げてしまった。

韓国紙ハンギョレは次のとおり掲載している。
サ ムスンソウル病院は6月7日(現在)、ブリーフィングを開き、病院で発生したMERS3次感染者は17人で、すべて先月27~29日に応急室で、14番目 の患者(29日に感染が確認された男性)に露出した医療スタッフ(3人)と患者(7人)、保護者(7人)と明らかにした。

17人の感染者に露出した患者と職員は2000人に達しており、追加で確定診断患者が増える可能性が高い。
サムスンソウル病院ソン・ジェフン院長は、「露出者を隔離して徹底的に管理している。これら3次感染者と接触した方々も集中的に把握し、適切な隔離措置をとっており4次感染が確認された事例はない」と話した。

現在、サムスンソウル病院に入院中の患者7人の場合、6人は単純発熱と軽い呼吸器症状があるだけだが、1人は肺炎を併発した状態。

このように韓国最高の病院の一つであるサムスンソウル病院でMERS患者が大量に出てきた原因としては、政府と病院の感染管理が粗末だったことが挙げられる。
 
サムスンソウル病院は先月20日、最初のMERS確定診断患者を経験しながらも、14番目の患者にきちんと対処できず、先月27~29日の3日間応急室に放置して感染者を増やした。14番目の患者は1番目の患者と同じように平沢聖母病院で治療を受けたが、サムスンソウル病院はそこまで確認できなかった。遅れてこの事実を知った時には、すでに応急室にウイルスが広がった状態だった。
サムスンソウル病院関係者は「平沢聖母病院から平沢グッドモーニング病院を経て自分たちの病院に来たせいで、平沢聖母病院を確認できなかった。 残念だった」と話した。

 14番目の感染者と接触した露出者の把握にも弱点があることがわかった。
サムスンソウル病院は先月30日、14番目の患者に対する感染確定診断の後、義務記録と閉回路テレビジョン(CCTV)等を多角的に分析し接触者を隔離措置したと明らかにした。
だが、この病院の(救急担当)医師である35番目の患者は、隔離措置の対象から抜け落ちていた。 35番目の医師患者は、14番目の患者と先月27日に応急室で40分程一緒にいたが病院は、何の措置も取らなかった。

先月31日午後、35番目の患者の医師が、自ら病院にMERSが疑われると通知して確定診断判定を受けた。
35番目の医師患者の場合、保健福祉部(省)が、確定診断名簿から漏れており、隠蔽論議が広がりもした(2日判明、4日発表した事をさす)。
サムスンソウル病院関係者は「14番目の患者を直接診療したわけでもなく、離れていたし、時間も短かったために直ちに措置を取らなかったようだ」と話した。
以上、

目に見えない敵コロナウイルスと戦う病院にあり、蟻一匹通さない防疫体制があるはずのサムスンソウル病院であるが、現実は、油断もスキもあったのだろう。
ただ、国による患者についての情報が医療機関内だけでも共有化されていたら、こうした問題は生じなかったものと見られる。
情報非開示が、国民から海外から批判される中、それも非開示の中、最大手の新聞社だけが感染者が大量に発生しているソウルの病院はサムスンソウル病院だと掲載。それまで強行であった政府も追随して翌日にはサムスンソウル病院など感染者が関係した24病院の開示に踏み切った。
韓国政府としては、非開示につき、海外の感染症の専門家からも多くの批判が寄せられ、また、WHOが9日から調査に乗り出すことを踏まえ、韓国政府の常識である情報非開示を、世界常識の開示に向かわせたことにもあろう。

朴大統領自ら、「地方や機関によるかってな行動はさらに事態を深刻化させる。情報は保健福祉部(省)で一元管理する」と非開示続行宣言まで出していた。これはソウル市長の感染についての動きや感染者がいる病院名を発表するとした大韓病院連盟(保健福祉部から中止させられた)に対する解答でもあった。さらに当局が「(ありもしない)噂など流した場合は厳罰に処す」とのオフレも発した。

当局が、欠陥だらけの隔離対象者のリストアップにより感染を拡大させ、隔離対象者さえ野放し状態でトレサビリティもなし、こうした情報非開示により、さらに感染を広げ、医療機関において、情報の共有化がまったくできず、サムスンソウル病院でさえ、院内感染者を大量に出してしまったというのが現実だと思われる。

当局による感染者情報の非開示の結果、平沢市・ソウル市・大田市・牙山市、さらに南の端の釜山市と韓国全域の病院で、感染者を発生させてしまっている。また、新たな感染者が発生するたびに、隔離対象者も増加し、学校や仕事へも行けず自宅隔離を強いられている。多くの学校の休校措置、訪韓観光客の大量キャンセルなど各方面へ影響も広がっている。
コロナウイルスは閉鎖されている平沢聖母病院で10日間も患者がいた病室のエアコンダクトで生きていたと報告されている。
感染者の体液・排出物・ツバ及びくしゃみなどのエアロゾルにより感染している。

感染者=発症者でもある。

[ 2015年6月 9日 ]
スポンサード リンク

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 
JCNET注目記事!
良識ある都城市民の皆さん。その②(宮崎県)(12/07 10:14) 2015:12:07:10:14:02
PR いま建設業界の求人が急増中、当サイトおすすめのワークポートが便利です。


PICK UP


PICK UP - 倒産

↑トップへ