5月の貿易収支 輸出振るわず2ヶ月連続赤字
輸出から輸入を差し引いた5月の日本の貿易収支は、原油価格の下落によって原油などの輸入額が減ったものの、中国やEU向けの自動車の輸出が振るわず、輸出額が小幅な伸びにとどまったため▲2,160億円の赤字になり、2ヶ月連続の赤字となった。
財務省の速報によると、5月の輸出額は、台湾や香港向けの半導体などの電子部品や船舶の輸出が増えた一方で、中国やEU向けの自動車の輸出が超円安になったにもかかわらず振るわず、5兆7,405億円となり、前年同月比2.4%増にとどまった。
一方、先月の輸入額は、5兆9,564億円となり、前年同月比▲8.7%減となった。これは昨年に比べ大きく円安が進んでいるものの、原油価格の値下がり幅が大きいため、原油やLNG=液化天然ガス及び鉄鉱石の輸入額が大きく減少したことによる。
この結果、輸出から輸入を差し引いた5月の日本の貿易収支は、▲2160億円の赤字となった。 貿易収支は、今年3月に2年9ヶ月ぶりの黒字となったが、その後、2ヶ月連続で赤字となっている。
財務省は「円安が続き、輸出額はプラスとなったが、中国経済が一段と減速している影響で輸出の伸びは鈍化し、赤字が続く結果になった」としている。
貿易収支が黒字になったら円高に向かい、経常収支で黒字になる程度がよろしいかと。
5月の貿易収支
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輸 出
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前年比
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備考
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金 額
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57,405
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2.4%
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9ヶ月連続増
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数量
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82.8%
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▲3.8%
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3ヶ月ぶり減少
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輸 入
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金 額
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59,564
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▲8.7%
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5ヶ月連続減
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数量
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94.9%
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▲5.3%
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2ヶ月ぶり減少
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差し引き
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▲2,160
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▲76.5%
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2ヶ月連続赤
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数量の基準年は2005年(平成17年)。輸出数量は伸びず、超円安で輸出額が水脹れしている。
[ 2015年6月17日 ]
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