アイコン 企業短観1年後の物価見通し0.7%  2%に程遠い現実

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日銀が全国の企業に聞いた1年後の物価の見通しは平均で0.7%の上昇と、3ヶ月前の調査を0. 1ポイント下回り、日銀が目標とする2%の物価上昇率との差が広がっている。
日 銀は、3ヶ月ごとに行う短観=企業短期経済観測調査で、全国約1万1000社を対象に、今後の物価の見通しを尋ねているが、それによると、6月の調査で、 1年後の物価の見通しは平均で0.7%の上昇、前回、3ヶ月前の調査を0.1ポイント下回った。これで企業の物価見通しは4回連続で下がった(当調査は英 EU離脱決定前の調査でもあり、更なる円高前の調査となっている)。

マイナス金利政策を含む大規模な金融緩和の下で、日銀は目標とする2%の物価上昇率を来年度中に何が何でも達成するとしている。しかし、企業の見通しとは差が広がっている現実となっている。
しかも、企業の3年後の物価の見通しは、平均で1.1%の上昇(前回と変わらず)。
5年後の物価でも平均で1.1%の上昇で、前回より0.1ポイント低下しており、日銀2%目標とはスカイツリーと地べたとの差となってきている。

企業が物価を慎重に見ているのは、原油価格の低迷などの影響で消費者物価指数が前年比でマイナスの状態が続いていることや、賃金の伸びが鈍過ぎ、消費拡大につながっていないことなどが背景にある。
雇用は年齢構成的に高い高給取りが年齢から退職し続け、また、企業リストラでは高給取りの40歳以上をターゲットしたものも多く、勤労者の総所得が、失業率がいくら低下しても企業は低賃金の非正規雇用者ばかり増加させているため、増加していない現実がある。勤労者増で生活必需品は売れようが、服や耐久消費財は売れていないことがそれを如実に表しているといえる。
以上、

中国のように公共投資をばら撒き、データを捏造して、景気が良いと吹聴し続ければ、景気も良くなるというものだが、今では、李克強指数も参考とされ、また、財新など民間の調査機関もしっかりしてきており、ほかの経済データとの整合性も図らなければならないことから、旨くいかなくなっている。
日本では、アベノミクスの根幹である大規模金融緩和により超円安の外需政策と公共投資の内需政策を同時進行させ、企業業績は大幅好転、不動産価格も上昇に転じている。
だが、GDPの6割を占める国民の消費に対する対策を採らなかったことから、円安の物価高により2つの政策は一時的な効果で終わっている。
今や円安は円高に振れ、現状の為替レートでは減収減益見通しとなっている。そうした中、更なる大規模公共投資計画を立てているが、企業が利益を内部留保し続ける限り、そうした景気は一過性に終わり、また巨額借金の財政状況から、いつまでも公共投資を続けられるものでもない。

円安により便乗値上げしてきた内需関連の製造業も、昨今の円高で価格を下げる必要があるが、下げたらデフレを助長することになり、さりとて従業員に還元するわけでもなく、借金返済や償却資産を増加させ、利益も多くは出さず、内部留保に努めることになる。デフレが続いたリーマンショック前の企業業績好調時となんら変わっていない。

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[ 2016年7月 4日 ]

 

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