アイコン 韓国造船業の手持ち量が急減  銀行管理下、選別受注強化

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世界的な経済低迷、物流のコンテナ船や資源エネルギー安でタンカー、LNG・LPG船、バラ積み船の新規発注船舶が大幅減少する中、韓国の造船業の手持ち量が、過去の受注好調時の船舶が完工時期を向かえ急減、韓国の輸出を牽引してきた一角の造船業に暗雲が立ち込めている。

急 減の原因の一つには、過去、船舶どころか海洋プラントや火力発電所、石油精製施設などプラント工事を、安値受注合戦を世界で繰り広げた韓国4大造船業界、 その受注の引渡しが一昨年から始まり、準国営の大宇造船が巨額赤字を2期にわたり露呈し倒産の危機に、現代重工業とサムスン重工業も前期は巨額赤字を露呈 して、資産処分などのリストラを続け、実質銀行管理下に陥っている。その結果、利益最優先の受注に切り替えられ、受注が急減している。

現代重工業とサムスン重工業は、KEBハナ銀行と政府系の産業銀行から支援を受け、大宇造船海洋は、大株主で実質親会社の政府系の産業銀行から5兆3500億ウォンの経営改善計画の承認を得て再建されることになった。
(大宇造船は、国策銀行の産業銀行が以前から経営管理しており、大規模な粉飾決算も見つかり、今後も支援することに国民からタレ流しだと批判を受けている)

前期の大宇造船海洋の営業損失は約5兆ウォン(約4620億円/0.0924円)、現代重工業とサムスン重工業もそれぞれ1兆4000億~1兆5000億ウォンだった。

第4位だったSTX造船海洋にいたっては、今年5月27日、金融債務だけでも約6兆ウォンを抱え会社更生法を申請して倒産している(金融債務の48%が政府系の産業銀行)。

韓国造船業界の手持ち工事量が17年ぶりに日本に逆転される危機に陥っていることが10日、造船・海運市況を分析する英クラークソンの集計で分かったと報道されている。
7月末時点の韓国メーカーの手持ち工事量は、2387万CGT(標準貨物船換算トン数)で、日本は、2213万CGTだった。中国は5月末の受注量が3717万CGTだった。

韓国紙は、1~7月累計の韓国の新規受注量は86万675CGT、一方、日本は同期間に98万5912CGTを受注している。韓国の造船業の完工量は日本の2倍あり、このままだと両国の手持ち量が年内にも逆転するのではとライバルむき出しの懸念記事を報じている。

韓国は2000年1月に手持ち工事量で日本を上回り、初めて世界1位となった。だが、中国造船業の急成長で08年8月には中国に次ぐ2位に後退していた。
韓国の造船業界は、まだ世界各地にプラント工事などを抱えており、利益が急回復する余地は少ない。これら赤字になっている工事は、受注時には、取った・受注した・すごい・世界一だと大はしゃぎをしていた韓国のマスメディアが報じていた。

何でも「一番」に固執したことから、日本の造船業はおかしくなったが、韓国も同じ轍を踏んでいる。日本のサラリーマン化した大手造船会社は総崩れ、当時2番手グループが頑張り、今や日本の造船業を牽引している。

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[ 2016年8月12日 ]
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