全労働者のうち最低賃金に満たない労働者の比率は2010年の12.4％から今年は14.6％に、来年は16.3％に拡大する見込み。全労働者の約6人のうち1人は法で定めた最低賃金にもならない水準の賃金を受けることになる。

韓銀は来年の賃金上昇率の展望値(3.5％)を利用し、来年の賃金労働者の時間当たりの賃金や労働者数分布を推定し、最低賃金未満の労働者数を計算した。

業種別(2016年基準)では、
農林漁業で最低賃金に満たない労働者が最も多く、
飲食宿泊業、
芸術・余暇、
事業への支援、
不動産賃貸、
卸・小売、
製造業などの順となった。
企業規模別では従事者数10人未満の零細企業が最も多かった。

最低賃金に満たない賃金の労働者が多い理由は、最低賃金法に広範囲な例外条項があるだけでなく、勤労監督においても経営者の経営困難などを考慮し、監督と処罰が軽く行われているためだ。
こうした状況にあって摘発件数は毎年減りつつある。2013年の最低賃金違反摘発件数は6081件だったが、2014年には1645件に激減し、2015年は1502件にまで減った。

最低賃金制を違反すれば3年以下の懲役や2000万ウォン（183万円）以下の罰金刑に処するようになっているが、法規違反を摘発した件数は毎年減り、最低賃金を順守させるメリットは少なくなっている。
韓銀はこのため、最低賃金の引き上げが全労働者の全般的な賃金上昇を誘発する可能性が大きくないとみている。
平均賃金と最低賃金間の相関関係の分析でも相関係数が0.2に過ぎず、意味のある相関性がないことが分かった。
　韓銀は「勤労監督強化を通じて最低賃金の順守率を高め、中長期的には業種別の最低賃金の差別化など最低賃金制度の実効性を高める方策を模索する必要がある」と指摘している。
以上、韓国紙

最低賃金を貰っていない勤労者が300万人（全人口5千万人）もいるという。現代などの労働者は、トヨタより高級取りで、いろいろな補助金制度も確立している。また、労働者の子供の優先就職などもあるという。それでもさらに銭や好条件を引き出そうとよくストも打っている。
韓国の労働組合界は、自らの組合の企業での自己利益追求だけに専念し、社会的な責任はまったく果たしていないようだ。

韓国では、高齢者どころか70歳以上のスーパー高齢者の就業率も高く、青年の就業機会を奪っているとも、高齢者が生活のため特に低賃金に甘んじているため、最低賃金を守らない企業が多いともいう。

財閥でも好不況があり、一部の優良財閥への就職数は限られ、不況下、なかなか希望する職種や企業への就職は困難なようだ。
いい頃加減な韓国学者は、就職するためには韓国を捨て、海外へ出て行けと論じている。韓国でも少子化が進んでいるというのに・・・。
韓国経済の低迷は、低迷する外需に加え、内需が乏しいところにもあり、こうした最低賃金も守らない現象は、青年失業率の高さとともにさらに内需を厳しくしている。おまけに家計負債も多く、需要低迷の悪材料には事欠かないようだ。