アイコン 中国の環境汚染対策とEV環境車販売の虚実  売れても走らないEVの実態

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2016年の北京の微小粒子状物質PM2.5の年間平均濃度は1㎥当たり73μgと、前年比▲9.9%下降、12年比では▲23.7%下降した。
2017年に入っても、大気汚染が原因の煙霧が何度も発生しているが、北京は今年、PM2.5平均濃度を1㎥当たり60μgにするという目標を達成することができるのだろうか?
北京では、煙霧の改善が重要事項となっている。人民日報が報じた。

2013年、北京市は、「17年までに、PM2.5の年間平均濃度を1㎥当たり約60μgにし、『深刻な汚染』の日数を大幅に減らす」という目標を掲げた。
昨年1~9月期、対策が功を奏していたものの、10月以降は汚染物質が拡散しにくい天候になり、暖を取るために石炭が燃やされるようにもなったため、煙霧が何度も襲来している。
また、工業や石炭燃焼による汚染物質の排出は顕著に減少しているものの、自動車の排気ガスが原因の汚染が深刻化している。

「北京には自信がある!」。
そう語る北京市の政府関係者は取材に対して、「北京は供給側から、『大都市病』の全面的な検査を実施している。そして、それを改善するための手段を講じ、産業構造やエネルギー構造、移動手段構造、用地構造の改革などから着手して、汚染物質の排出を根本的に解決しようとしている。
今年初め、環境保護警察が設置され、環境保護の監督が強化された」としている。

産業構造の改革の面では、汚染源をなくすために、北京は生産者から着手し、汚染物質を排出していた企業1200社を相次いで閉鎖し、大小の1万6400プロジェクトが却下された。そして、科学技術イノベーションセンターの建設を全力で推進し、経済構造調整を深化させている。

エネルギー構造の改革の面では、石炭燃焼の削減を継続し、石炭から電気、ガスへの移行を加速させている。
北京のエネルギー消費のうち、以前は石炭が3分の1を占めていた。しかし、継続的な調整を経て、現在は約14%まで減少し、ガスや電力などが86%を占めるようになった。
このようにクリーンエネルギーの割合が大幅に上昇した。

移動手段の改革の面では、エコな外出を提唱している。今後は、旧型車の淘汰を一層進め、クリーンガソリンの供給や新エネルギー車の供給を増やすほか、路線バスの路線を最適化し、公共レンタサイクルも増加させる。今後5年、北京で新設される地下鉄は過去50年と同じ規模になる計画だ。

用地の構造改革の面では、グリーン湿地を増加させる。北京は山地の生態保護を通して、平原地域に約6万6700ヘクタールの林地を新設し、農村に公園、都市部に森林をつくる。
そのようにして、市全体の森林カバー率を41.6%に、林木緑化率を59%に引き上げたい考えだ。生態の費用対効果は日に日に向上している。

今年の北京の両会(人民代表大会・政治協商会議)で、市政府は、「各方面が責任を確実に果たし、PM2.5の年間平均濃度を1㎥当たり約60μgに抑制しなければならない」と明確に指摘するとしている。
以上、人民網参照

中国政治中枢機関がある中南海の北京だけで問題が解決されるわけではまったくない。それに偽装工作による工場閉鎖などまかり通す地方政府の有様は、中央政府の統制が地方政府にまったく及んでいない現実をさらけ出している。国家直営の国営企業にあっても低質ガソリンや(船舶や工場燃料)低質重油問題など山積されている。地方政府管轄の国営企業にあっては目も当てられない現状が実態だ。
最西のウイグル新彊石油化学コンビナート新工業地帯も、PM2.5対策の触媒など皆無の状態のようで、偏西風に乗り、北京を覆っている日も多い。北京の中南海で吸い取ってくれるならば問題ないが、南北朝鮮や日本も侵している。もはや地球全体を覆わせている。黒潮に乗り日本沿岸部が急速に酸性化している報告もなされている。

環境にうるさいドイツなど欧州は、輸出のよりどころを中国に求めていることからおめん目を瞑ったままだ。
中国は大気汚染問題を自動車の排ガスが問題だというが、環境当局が国の産業優先策のため厳しい措置を取れないのが現実。それも一つの原因でしかない。
中国の各地では、有機毒素の垂れ流しによりガン村が各地に所在しており、湖沼が死に、色とりどりの死の河川が流れ、大気汚染は環境問題の一現象でしかない。
そうした問題を住民とともに取り上げる弁護士は、人権弁護士のレッテルを貼られ、政府批判だとしてすべて拘束されている。当局が女を抱かせ自己批判させられる人権弁護士も多々いる。

共産党政権として、不正腐敗よりヒトの命を軽視する環境問題の解決が何より先であるはずだが。環境問題を解決へ導くならば、不正・腐敗もなくなることだろうに。

<大気汚染の原因は自動車? 走っていないEV・PHV>
自動車を槍玉に挙げ続けているが、世界一売れているはずのEV車、ところが、昨年末、電気自動車メーカーが摘発された。
中国では環境車に高額の補助金やナンバープレートの取得優遇策など採られているが、EVメーカーはEVを製造し、当局の承認を取得して正規に生産・販売しているはずだが・・・。
ところが、当局から形式認証を受けた不正メーカーは、結託した購入者たちにEVを買わせ、そのまま解体業者へ、その電池を再び回収し、車体も回収して新品に再製造、再び新品として販売することを繰り返し、巨額の補助金を取得していたとして摘発された。
そうしたことから、審査を厳密にしたことから、1月はあっと驚くほどの減少ぶり。中国政府が環境汚染対策に環境車販売に重点目標を置き、世界に向けすでに自慢していることにより、2月以降もこうしたマイナス数値が報告されるかは大きな疑問だが、実質は大きなマイナスが続いていくものと見られる。(中国は中国国家統計局でさえ作った数値を報告することで知られている)
電気自動車の生産コストの1/3~半分は二次電池代。
訂正、環境車は昨年まで売れていることだけは間違いなく、ただ走っていないということ。

 

不正だらけの中国環境車販売台数/中国汽車工業協会
年別
PHV
前年比
EV
前年比
合計
前年比
2013
3,038
 
14,604
 
17,642
37.9%
2014
29,715
878.1%
45,048
208.5%
74,763
323.8%
2015
83,610
181.3%
247,482
449.3%
331,092
342.8%
2016
98,000
17.1%
409,000
65.1%
507,000
53.0%
2017年1月
4,978
-67.8%
704
 
4,978
-67.8%
・昨年末、環境車の不正登録メーカーが摘発され、審査が厳しくなった。
 

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[ 2017年2月21日 ]
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