アイコン 資生堂 今期赤字続き米買収子会社▲655億円の減損処理へ 中間期は・・・

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資生堂は、中国市場での好調を背景に、2010年3月、米国市場での販売強化を目論み、全米にナチュラル化粧品を、800店舗に販売ルートを持つ「ベアエッセンシャル」に買収を計画した。
しかし、2012年9月、業績を牽引していた中国市場で、尖閣問題から反日暴動、日本製品の不買に晒され、資生堂は米国市場どころではなくなった。
「ベアエッセンシャル」は、総額19億ドル(1700億円/90円)という巨額の買物だった。

資生堂は1日、米国の化粧品子会社「ベアエッセンシャル」の販売不振で「のれん代」などの減損処理を実施し、2017年7~9月期に655億円の特別損失を計上し、一方、2001年に買収した米ゾートス社を売却し360億円の売却益を計上すると発表した。
これに伴い、2017年12月期通期の純利益の予想を8月時点の325億円から100億円に下方修正した。ベア社にかかわる特別損失の計上は2回目となる。
資生堂は米事業で売却益と減損を計上し帳尻でも合わせたつもりだろうか。

資生堂は北米での事業を強化するため、ベア社を買収したが、期待通りに売り上げが伸びず、2013年3月期にも▲286億円の特別損失を計上し、8年ぶりの純損益の赤字を招く引き金となっていた。ベア社に対して2回目の減損処理。

資生堂本体の販売は好調で、2017年12月期の売上高、営業利益の予想はともに上方修正した。
売上高は8月時点を200億円上回る9,850億円、営業利益は同90億円多い650億円と、いずれも過去最高を見込む。
同社は、「稼ぐ力がついたところで、ベア社の減損処理に踏み切ることにした」と開き直っている。

同社の業績好調は、主に日本の好調とインバウンド効果・中国での業績回復にあるが、中国の韓国制裁におけるアモーレ・パシフィック化粧品の中国での販売急減効果も否定できない。
ただ、化粧品は、女性の敏感な肌に合えば、客が長く購入し続ける性格のもの、中韓和解でも影響はないものと見られる。

日本大手のサラリーマン経営者は要領よく頂点に上り詰めているものの、外国企業を高く購入して失敗を続けている。その代表格が東芝を経営危機に陥らせた米ウェスチングハウス社であり、日本郵政の豪トール社の6200億円での買収だろうか。ほか挙げれば枚挙に暇がない。
 日本の大手企業は、米国などのM&Aを扱うハゲタカコンサルの餌食になっているようだ。これでは、経営責任もおろそかになり、欧米並みに、株主が経営者を厳しく糾弾する手法が必要なのかもしれない。
資生堂の中間期(1~6月)の様子
北米や欧州事業は売上高が上昇しているにもかかわらず、営業損失額が拡大するという最悪のパターン、広告宣伝費の大量投入が原因ならば、下半期や次期にその効果が現れようが・・・。
欧米では何やってんだか・・・。日本を馬鹿にした欧米人にでも現地の経営を任せているのだろうか。

 

資生堂の中間期の業績内容 2017年12期
 
売上高
営業利益
/百万円
前年比
/百万円
前年比
日本
208,585
10.0%
40,638
61.1%
中国
68,658
13.7%
5,007
125.7%
アジア太平洋
25,810
15.2%
2,285
0.0%
北米
62,109
12.4%
-9,025
(-4705)
欧州
53,823
24.5%
-3,190
(-2281)
インバウンド
23,126
92.4%
7,544
164.3%
プロフェッショナル
23,199
4.4%
1,169
697.0%
その他
6,795
-4.2%
-5,236
(-4576)
調整
 
 
-4,521
 
合計
472,109
14.5%
34,671
73.9%
()内は前期の赤字の数値

[ 2017年11月 2日 ]
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