省電力のLED照明の普及に必須だった青色発光ダイオードでノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学の天野浩教授らの研究グループは、省エネ社会を進める環境省のプロジェクトで、受賞対象となった材料でエネルギー効率のよい「窒化ガリウム」を使い、「車のモーターを動かすために電気を変換する(GaNパワー半導体を組み込んだ)部品」を開発し、世界で初めて電気自動車を動かすことに成功した。消費電力が、従来より20%以上削減されるということで、省エネ効果が期待される。
現在の電気自動車は、この部品にシリコンが使われているが、この材料を「窒化ガリウム」に置きかえることで、消費電力を24%ほど削減できるという。これにより、電気自動車がより長い距離を走れることなどが期待される。
試作車「GaNビークル」は、4人乗りで50キロほどのスピードが出るということで、24日から始まる東京モーターショーでも展示される。
天野教授は、窒化ガリウムで動く車を2025年ごろに実用化したいということで、「さらに研究を進めてエネルギー効率の向上をはかっていきたい」と話している。