アイコン 現代自動車EV全量リコール 950億円負担ではLGと喧嘩状態

韓国の現代自動車が全世界で電気自動車(EV)8万2000台のリコール(回収 ・無償修理)を実施する。車両の絡む出火が15件報告されたことを受け、バッテリーを交換する。
リコールにかかる費用は1兆ウォン(約950億円)と、過去最高額になる見通し。1台当たりの費用は平均で1万1000ドル(約117万円)に上るとみられる。
リコールの台数規模そのものは比較的小さいが、電気自動車の不具合がいかに巨額損失をメーカーにもたらすかが示された。

電気自動車のバッテリーを丸ごと交換するには、内燃機関の車のエンジンを完全に入れ替えるのと同程度の労力とコストがかかる。ガソリン車のリコールの場合、エンジンをそっくり交換しなくてはならないケースは極めて少ない。
コンサルティング会社のアリックスパートナーズで自動車産業の担当責任者を務めるマイク・ヘルド氏によると、過去10年間で起きた自動車のリコールの費用は1台当たり平均500ドル(約5.3万円)前後。
最近では米国のゼネラル・モーターズ(GM)がエアバッグの交換で700万台規模のリコールを行ったが、1台当たりの費用は200ドルに満たなかった。

莫大なリコール費用が発生するのを避けたいメーカーにとって、電気自動車のバッテリーの安全性や耐久性は今後ますます重要になるだろうと述べている。

 

バッテリー自体の製造コストが下がれば、電気自動車ははるかに安く生産できるようになる。組み立てにかかる作業時間も従来のガソリン車と比較して最大3割削減できるという。
現代製電気自動車の出火で負傷者は出ていない。これらの不具合の大半は車両の電源が切られ、車内に人がいない状況で起きている。

米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)の推計によれば、昨年10月の時点で現代の該当するモデル6700台が米国内の路上を走行していた。

今回のリコールは韓国内で2万7000台、それ以外の国々で5万5000台が対象となる。
現代は出火について調査した結果、韓国LG製の電池に欠陥があり、ショートを引き起こした可能性があるとしている。
韓国国交部もLG製バッテリーのセルが問題だと一次結論を出している。LGの中国工場で初期に製造したバッテリーに問題が発生していると指摘している。(LGが米国で完全勝訴したSKに対する特許紛争/韓国国交部当局は国益から和解させたいがLGは譲歩していない。韓国当局はLGに対して当然冷たい)

しかし、LG側は独自試験ではセルの暴走問題は発生せず、モジュール以外の現代側か、現代側との複合的な問題が原因ではないかと見ている。
当然、950億円を誰が負担するかという問題に直結する。韓国国交部が現代に味方しており、LGに勝ち目はない。現行の製造方法ではバッテリーのサイトカイン現象(セル問題)は避けることができないとされ、トヨタは全固体電池の開発にパナ社を取り込み全力を注いでいる。

昨年、世界的にEVの生産量が急増、EVバッテリーメーカーとして突如世界シェア№1となったLG、欧米自動車メーカーの多くに納品しており、こうした問題から、SKやサムスン製も含め、欧米自動車メーカーは販売停止や延期に追い込まれている。

中国ではテスラも当局から車両火災問題などにつき「どうにかせい」と勧告を受けている。
テスラは中国ではバッテリーをパナ社製はギガファクトリーの供給量の問題もあり搭載せず、安価なLGと中国のCATL製を搭載している。
昨年、テスラは中国では13万9,925台売上げており、LG製バッテリーが火災原因か不明で、また何万台に搭載しているのかも不明だが、成り行きしだいではLGには大打撃となる。

欧米自動車メーカーはEV生産用に、韓国3社のバッテリーメーカーの囲い込みを行っており、契約上も2025年まではバッテリーの高止まりは続くと見られている。
一方で欧州の自動車勢は、ノースボルトなど新興バッテリーメーカーやバッテリーベンチャーなどと組み、自動車メーカー主導で工場建設し、合弁事業としてバッテリー利益を自社に取り込む動きを続けている。

現在、車両価格の1/3前後がバッテリー価格とされている。
EVは高額になるため、普及させるためには各国政府の補助金が必須とされているが、大半の国が新コロナで大幅な財政出動をしており、補助金しだいでは、EV普及は遅れる可能性が指摘されている。
そうした中での火災問題。報道はされないが中国のEVも結構燃えている。

 

[ 2021年2月26日 ]

 

 

 


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