信越化学工業が25日、4~9月期の連結中間決算を発表した。純利益は前年同期比4%増の1650億円と同期間として最高益になった。
増益に貢献したのは主力の半導体基板向けのシリコンウエハ事業、世界市場30%のトップシェアを持ち、世界市場が4~6月期も前年同期比▲5.0%減と回復していないなか、同社は顧客と長期契約を結んでいるため、スポット契約の市況に左右されにくいという利点が生じている。
今年前半に落ち込んだ半導体の需要は、底入れの動きもでており、今後、半導体の素材メーカーに再び追い風が吹く可能性もある。
メモリ半導体最大手のサムスンでは在庫減も進んでいる。ただ、同じメモリ半導体を主力とするマイクロンやSKハイニックスは、スマホなど自己消費がなく、在庫増のままで、SKは今では次世代容量の半導体の製造に力を入れており、市場の主力容量の半導体の値下がりがさらに進む可能性がある。
サムスンは、米トランプのファーウェイ制裁によりスマホ販売台数が欧州などで急回復しており、メモリ半導体の在庫減につながっている。最新スマホは高性能化し使用する半導体量も増加している。