アイコン 現代+起亜G 2019年▲2.9%

Posted:[ 2020年1月 8日 ]



韓国の現代と起亜自動車グループ(現代G)は、世界に工場を作りまくっているが、販売台数は逆に減っている。

2016年夏に起亜・メキシコ新工場
2016年秋に現代・中国河北新工場
2017年春に現代・中国重慶新工場
(2018年、販売不振から現代と起亜がそれぞれ1ヶ所中国工場閉鎖)
2019年秋に起亜・インド新工場+現代工場の大拡張
ソウル中心街に5千億円かけて韓国一高い超高層本社ビル含む複合施設建設もスタートさせている。
現代Gの2019年は前年比▲2.9%減の719万台だった。
 
現代自動車はBMW・アウディ・ランボルギーニなどからデザイナーや技術者の上級職者を引っこ抜き、デザインが評価され、また高級車ブランドのジェネシスは内外装とも米誌でも高く評価されている。
 
しかし、新車の評価であり、車両の信頼性は未知の世界、それでいて勝ち誇ったかのような記事を満載する韓国のマスコミであるが、足下の世界販売台数は2015年の801万台をピークに落ち込み続けている。


現代GはEVだの燃料電池車だの威勢は良いが、全体の販売台数が落ち込めば、影は薄くなるばかりだ。
中国で回復しないのは、いくらすばらしいデザインだったとしても、世界の売れ筋デザインをすぐ真似取り入れる中国勢にはかなわず、品質面では中国勢の追い上げに、欧米日車の10:現代Gの8:中国勢の6というコストパフォーマンスが喪失していることを意味している。
 
エンジンは三菱がGDIエンジンを中国勢に販売しており、現代Gも三菱との共同開発だったGDIエンジンを搭載し、中国勢のエンジンと現代Gのエンジンに大差ない。
 
現代GのGDIエンジンから進化させた独自のシータ2エンジンは米韓で問題噴出、まだその問題を抱え込んでいる。
ただ、見てくれと、パワー、車内の機能は価格に相応して飛躍的に充実させているが高級仕様に限られる。当然、ジェネシスはBMWやレクサスなどよりかなり安く販売され、価格の魅力により購入者も多いが、その購入層には限界がある。
新モデル車の投入効果はどこのメーカーにもあるが、現代Gの場合は、その効果が長続きしていない。過度に宣伝して販売し、その後CMが息切れさせているのか。当初の1~3ヶ月だけインセンティブ販売を強化し、その後インセンティブを止めているのか。新車販売では米国でも中国でも売れた・売れたと韓国マスコミが大騒ぎするものの長続きしていない。長続きしていれば、車両名でも販売台数がベストテン入りしようがそうした車両はまだ見い出されていない(米国の場合)。
 
EVの普及は、搭載の電池価格がまだ高く、それぞれの国の補助金政策にかかっている。環境に煩い欧州では、そうした補助対象国が多くなろう。すでにEV販売台数が42%に達したノルウェーもある。
しかし、大票田の米国では、トランプ政権がガソリン大飯食いのピックアップトラックなど大型車両を推奨しており、補助金政策はカルフォルニア州などこれまで同様限られる。
いくら騒いでも普及の鍵を握るのは補助金。また後進国では充電施設のインフラも設備する必要があり、普及には時間もかかる。
 
中国は、新エネ車への補助金が大幅に減額され、補助金対象EVの走行距離も150キロ⇒250キロに伸ばしたことから、補助金が減額された上、電池搭載量が大幅に増加して販売実勢価格が大幅に上昇したことから、まったく売れなくなっている。
ただ、2019年から導入されたペナルティ制度により、EVメーカーへは未達メーカーから罰金が還流され、2020年は販売価格が落ち、販売台数が増加する可能性もある。
眼下、米中貿易戦争、中国経済が回復するかが鍵だろうが。
 
韓国では2019年、国内生産がマジノ線とされる400万台を割り込んだ。
2022年からは文政権のバックアップで新設される光州市立自動車受託生産工場が完成し、現代車が生産開始される。
現代自の生産現場では、スマホの動画が見られるすばらしい労働者たちである。サッカーや野球中継を見ながら生産? 雨漏りなど品質面でバラつきが生じるのはその結果なのだろう。
 
現代+起亜グループの世界販売台数推移
 
販売台数
前年比
備考
2012年
7,122,681
 
 
2013年
7,548,477
5.98%
 
2014年
8,005,220
6.05%
 
2015年
8,015,745
0.13%
 
2016年
7,795,425
-2.75%
米国品質問題
2017年
7,251,013
-6.98%
中国THAAD不振
2018年
7,401,399
2.07%
 
2019年
7,193,337
-2.81%
 

 

 


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